電子マネーって使わなくないです?

私、電子マネー全然使いません。電車はSuicaを使いますが、それを自販機やコンビニで使おうとは思わない。未だに現金派であります。あ、ネットの支払いは別ですよ。ネットは全部クレジットカードで払っております。ネットの支払いはクレジットカードの一択ですね。利便性マキシマム。クレジットカードを持たない派の人は、どうやって健康で文化的なネット生活を送っているのか私には理解がおよびません。代引きでしょうか? 代引きは、すげー手数料取られますが。コンビニ支払いでしょうか? それ面倒じゃない?


電車でSuicaはいいのです。切符をいちいち買うのより便利だから。ネットでクレジットカードはいいのです。便利だから。でも電子マネーはどうでしょう。いや、まあ、別に電子マネーでもいいっちゃいいのですが、積極的に切り替えていこうというモチベーションがわかないのです。ちょっと状況を整理したい。


日本の現金は最強クラスの利便性

私日本の現金はとても素晴らしいと感じています。まず機能性がいい。通貨の単位が全て、1, 5, 10, 50… と1と5で統一されているのがいい(2千円札? 知らない子ですね)。ドルとかみてくださいよ、25セント硬貨とかありますよ。なんでそんな中途半端な所で区切るかなー。クオーターとか言いたいだけでしょ。かと思ったら紙幣では、25ドル札は存在せず、20ドル札しかない。行き当たりばったりで作ったとしか思えない。


また円は各硬貨、各紙幣の見分けもしやすく配慮されています。硬貨はそもそもの材質を分けているので色で判別しやすいです(アルミニウム、黄銅、青銅、白銅、ニッケル黄銅)。50円と100円だけ同じ白銅を使用していますが、50円は穴が開けられているのでセーフ。紙幣に関しても3種類とも色味が分けてあるので分かりやすい。ただこれに関しては、ユーロ札みたいにオレンジ色、青色、緑色といった風にどぎつい感じに色分けした方がもっといいかも。また描かれている肖像がご年配、女性、天然パーマと違うテイストの方々なのも識別のしやすさにつながっています。ちなみにですが、ベトナムのドン紙幣の肖像は全部ホーチミンさんです。


そして日本における現金は、ほぼ確実に使えるのがいい。円現金を拒否されるお店とかないじゃないですか。アジアの国などでは最高額紙幣を出すと「お前正気か? おつりがあるわけないだろ」みたいな顔されたり、また数円単位のお釣りは、はしょってくれない事が多い。極めつけがその国の通貨で支払おうとしたら、米ドルでくれと言われた事もあります。それに比べて日本はどうですか。1円玉から1万円札まで確実に受け取ってもらえて、おつりも1円単位できっちりかっちり支払われます。なんと素晴らしい。


円はアクセス性も史上最強ですよね。東京とか冗談でなしに100メートルおきにATMがあります。駅構内にもありますし、銀行のATMコーナー、そしてなんといってもコンビニにATMが設置されているのが大きい。都市生活を営む上でコンビニに行かないという事は不可能です。現金が足りなくなったら、必ず行かなければならないコンビニのついでに下ろせばいいのです。スーパー簡単に手に入る。


電子マネーの意義

もちろんね、電子マネーの存在意義もわかるのです。お釣りがなくなるとか、オートチャージならチャージ不要であるとか、お会計が迅速になるといった事はとても良くわかります。わかるのですが……うーん。やっぱり現状では、電子マネーを使えないお店も多いですし、割り勘が困難を極めるといったデメリットも多い。ですから東京においてすら現金を捨てて、電子マネーだけで生きていくのはキツイです。結局財布に現金を入れて持ち歩く事になり「だったら無理に電子マネーを使わなくて、便利な現金でよくない?」と思ってしまうのです。


そんな電子マネーですが、なんだかすごい普及した感を醸し出しているのに、現金に比べればまだまだらしい。現金の発行残高は100兆円を超えているのに対して、電子マネーの残高は2,541億円(2016年9月末)で、まったく勝負になっていないぐらいの規模の差がある。電子マネーはブレイクスルーに達していないのです。


電子マネーはアプローチの仕方を変えるべき

このように電子マネーのより一層の普及には、もう一手何かが足りないように思います。誰もが電子マネーを使いたくなるような一手が。そこで私なりにどうしたらもっと電子マネーが普及出来るか考えてみました。生体認証を導入してカードを持ち歩く必要無しに決済出来るだとか、個人間の送金が簡単に出来るようにする、1万円をチャージしたら2万円分使える(ハイパーインフレが起きそう)など色々考えては見たものの、どうもこれじゃない感が……。


必要とされているのは、そいったテクニカルな部分ではないような気がする。だとしたら、もっとエモーショナルな部分が求められているのではないだろうか。そうだよ、もっとカッコよくてプレミアムな電子マネーを作ればいいんだ。大体、Suica、WAON、nanacoとか名前からしてダサい。アレですか? 親しみやすさのアッピールですか? もっとカッコイイ名前にしなさいよ。例えばそう、電子マネー「レーベンスラウム」とか。最強に豪華な感じにしたい。レーベンスラウムを持っていれば空港のラウンジが使えるようにして、材質はタングステンカーバイトでいきましょう。硬くて重量感が最高。レジで決済すると、レジからワーグナーの「ワルキューレの騎行」が流れるようにする。そうすると周りがザワッとするわけですよ。


この曲! あの人もしかして、あの超硬合金タングステンカーバイト製のレーベンスラウムで支払ってる? やばくない?

こんな電子マネーなら私も2秒で発行申請してしまう。やむを得ないです。ただ、みんな我先にとレーベンスラウムを入手してしまうと、当然ながらプレミアム感は失われて行くでしょう。そうしたら、今度はカーボンファイバー製の新電子マネー「ノブレス・オブリージュ」を発行しましょう。決済時にはドヴォルザークの「新世界より」が流れるようにする。こんな事を何度か繰り返せば、知らず知らずのうちに全国民に電子マネーが行き渡るに違いありません。完璧なプランだ。

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