「w」のヤバさをもっと知るべきだと思います

今日は「w」の話をしたいです。文章の末尾に付ける事で、笑っている事を表現するものですw ← こんな感じに使うあの「w」の事です。無理に発音する必要はありませんが、あえて発音するならば「ワラ」でしょうか。果たして言葉なのか、言葉なのか微妙なラインな気がしますが、本稿では言葉として扱います。 20世紀最大の発明は「コンテナ」であるとか「ペニシリン」「コンピュータ」だとか諸説ありますが、私は「w」こそが20世紀最大の発明であると主張したい。それだけ突出した存在なのです。圧倒的な機能性を備えつつも、簡潔で、ある種の美しさまで備えた完全無欠の存在、それが「w」。以下に「w」がどれだけヤバいかをまとめましたのでお付き合い頂きたい。


歴史

まずは歴史から振り返っていきたい。ニコニコ大百科によると日本語の通らなかったDiablo(1996年)で「(笑)」の代用として使われたのが起源という説があるとのこと

1996年に発売されたDIABLOというオンラインゲーム(MORPG)では日本語が表示できないためアルファベットでしかチャットができず、(笑) の代わりとして (warai) や (pupupu) と書いていたのが次第に面倒くさくなり、省略して (w や (pu が使われるようになった。 ニコニコ大百科 Wより


その後、現在見られるような「w」を任意の個数並べる、現在と同等の使われ方をしだしたのが、2002年頃の2ちゃんねるにおいてでした。つまり、Diabloから数えれば24年、2ちゃんねるから数えれば18年の歴史を持った言葉という事になります。もっと歴史の浅いものだと勝手に思い込んでいたのですが結構長く使われていますね。90年代だったら「チョベリグ」、2000年代だったら「ゲッツ」とかと同期です。それらはもう誰も使っていないし、なんなら結構最近の「マジ卍」とか、もう使っている人はいません。多くの言葉が生まれては消え去っていきました。その中にあってどうして「w」は残ったのか? それは「w」が時の洗礼に耐える事の出来る「本物」の言葉であるからと私は考えます。「本物」だけが陳腐化しないのです。


機能性

「w」の機能性は、よく考えれればよく考えるほどヤバいです。こんなにあらゆる環境に対応可能な言葉もそうそうないのではなかろうか。

・個数で強弱をつけられる

「w」は、笑いっぷりに応じて任意の数を使う事が出来ます。「マジかw」「マジかwww」「マジかwwwwwwwww」。「(笑)」の方は、「マジか(笑笑笑笑笑笑笑)」のような使い方は普通しませんので、これは「w」だけが持っている特徴といえるでしょう。「w」の個数に制限はありませんから、これは笑いの度合いを無限段階で表現出来るということです。「(笑)」に比べると「w」は表現できる解像度が段違いなのです。

・打ちやすい

メチャクチャ打ちやすいです。パソコンで入力する場合は、キーリピート機能があるので、wキーを押し続けるだけでOK。「そんなの当たり前じゃない」と思われる方はいるかと思いますが、そうではないのです。 「wキーを押し続けるだけで入力出来る」この事実は天が与え給うた配剤としか考えられません。日本語入力を有効にした状態で、例えばhキーを押し続けてみてください。「hhhhhhhhhhhh」ではなく「っっっっっっっっh」になってしまうはずです。uキーだったら「うううううううううう」になる。なぜかはわかりませんが wキー だけが「wwwwwwwwwwww」になるのです。
※ 私の環境ではそうなるのですが、違う人が居たらすみません

・シンプル

「w」は最小構成で英数字が1文字だけという極限レベルのシンプルさを誇ります。対抗馬である「(笑)」と比べると異次元のシンプルっぷりです。さらに「(笑)」の方は将来的にシンプルな表現へと変化していく余地がほとんどありません。例えば、シンプルな表現を目指して「(笑)」からカッコを除去して「笑」にしようとする場合不具合が出てしまうためです。

艱難辛苦笑

上記のように、カッコを取り去ってしまうと本文と混じってしまい、「艱難辛苦」に対して「笑」っているのか、「艱難辛」に対して「苦笑」しているのかが区別がつきません。

艱難辛苦w

「w」は、限界までシンプルでありながらも、このような問題とは無縁なのです。
※ 英文の場合はこの限りではありません。


優しさ

これはもしかしたら人によって感じ方が違うような気もしているのですが、「w」って優しい感じがしませんか? 語尾に「w」がついているだけで許された気持ちになりませんか? この件に関しては具体例をもって説明した方が納得頂けるように思います。例として「シュミレーション」と間違えて覚えてしまっている人に「シミュレーション」であることをチャット等の文字によるコミュニケーション手段で指摘する場合を考えてみます。例と併せて私がその文章を読んでどう感じたかも記載します。


・語尾に何もつけない場合

「シュミレーション」じゃなくて「シミュレーション」ですよ。

→ 全部私が悪いんです。生まれて来てごめんなさい……


・語尾に(笑)をつける場合

「シュミレーション」じゃなくて「シミュレーション」ですよ(笑)

→ うるせー、ばーか、ばーか


・語尾に「w」をつける場合

「シュミレーション」じゃなくて「シミュレーション」ですよw

→ うぇええ、まじっすか。ずっと勘違いしてたwww


「w」をつけたバージョンが相手を一番傷つけないと感じませんか。これこそが「w」の持つ優しさなのです。 口頭の場合は、表情、言い方などでニュアンスを柔らかくする方法はいくらでもありますが、文字情報の場合はそれらの付属ニュアンスが全部消え去ってしまいます。それによって誤解が生まれ、不幸な結果となる事も少なくありません。その文字情報が潜在的に持っているリスクは、なんと語尾に「w」をつけるだけで完璧に回避可能なのです! なんと素晴らしい。これ程の深い優しさを私は他に知らない。


世界を変える方法

昨今、ポリティカル・コレクトネスを錦の御旗としての言葉狩りが盛んです(例:NFLのレッドスキンズの名称が先住民に由来するから改名せよなど)。私はそういったものを目にするたびにこう思うのです。


「あなたはドラえもんの、どくさいスイッチから何も学ばなかったのか?」

どくさいスイッチはドラえもんのひみつ道具の一つです。どくさいスイッチはスイッチを押すことで気に入らない人間の存在自体を消すことができる恐るべき道具です。のび太は、ジャイアンを消し、スネ夫を消し、最後には全人類を消してしまいます(オチは独裁者を懲らしめるための道具というもの。みんな戻る)。そうなんです、気に入らないもの、不快なものを取り除いていったならば、世界には何一つ残りはしない。だから、取り除くのではなく、心地よいもの、優しいものを付け足しましょう。そう「w」を全力で語尾に付け加えるのですw 。それによって世界が平和になるのは疑いようもありませんw。なんならいっそのこと「w」だけで、会話するとかどうでしょうかwww。「w」っぽい文字種を10種類ぐらい用意、 ポケベルみたいな感じで2文字が1文字を示すようにすればいける気がするwwwwwwwww。

文字種

wW(アルファベット)
ŵŴ(サーカムフレックス付き)
шШ(キリル文字)
ϣϢ(コプト文字)
պ(多分アラビア文字)
ɯ(非円唇後舌狭母音。 発音記号?)

対応表

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文例

WW ϣW Шw ŵW ɯŴ Ŵŵ шW Шw ɯŴ Ww Ŵw ɯŴ шw