ゲームに対して真摯に向き合っているのか

最近私、Diablo3というゲームをやっております。PC版が7年ぐらい前にリリースされた古めのゲームなので、ずっと気になっていて横目ではうかがっていたのですが、なんとなくプレイしないで来てしまっていた。それがなんと2018年12月にNintendo Switch版がリリースされまして「これは行っとくか」とDiablo3デビューしちゃいました。Diablo3は、いわゆるハック&スラッシュ系のゲームです。


ダンジョンに潜る

強力な装備を入手する / レベルを上げる

より難易度の高いダンジョンに潜る

強力な装備を入手する / レベルを上げる

より難易度の高いダンジョンに……

これを一生続けるゲームです。ストイックに己を磨き続けるのです。一応ストーリーモードもあるにはあるのですが、完全におまけ扱い。Diablo界隈ではストーリーモードは、ちょっと長めのチュートリアルとして認識されています。ストーリーが終わってから、ひたすらダンジョンに潜り続けるのことこそメインコンテンツ。


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Diabloを語りたい

Diablo3は見た目が陰鬱な雰囲気だし、そもそも洋ゲーだしとある程度の取っ付きにくさは覚悟していたのですが、そんな事まったくなかったです。序盤は適当にやっていても、どうとでもなってサクサク進んで楽しー。そのうち適当だとクリア出来なくなってきて、それではと装備を見直したり、スキルのコンボを考えたりして突破出来るようになると楽しー。プレーヤーが成長していくための導線がちゃんと用意されている印象。よく出来たゲームです。一時期、自由な時間は全てDiablo3のプレイに費やし、さらに睡眠時間を削ってプレイして、健康被害が出るレベルで猿のようにプレイし続けてた。こいつはヤバイ。


洋ゲーって私は大好物なのですが、現実世界で同じ洋ゲーをやっている人に遭遇する事はほぼ皆無です。やっぱりプレイ人口が少ないんですかね? ああ、私はDiablo3ついて熱く語りたいのに。そんな厳しい環境に置かれている洋ゲーなのですが、なんとこの前 Diablo3 をプレイしている人を現実世界で見かけました! マジですか。やっぱ Nintendo Switch はすごいなー、いっきに間口が広くなる。そこで私は、興奮を抑えきれずこんな質問をしました。


グレーターリフト何レベルまでいけました?

ここでちょっと説明をさせてください。グレーターリフトとは、さっきから出てきているダンジョンの名前です。難易度がレベル1~レベル150まで用意されています。レベル150は、現状の調整ではチートを使わない限りクリア不可能と言われています。到達不可能な極限であるレベル150に一歩でも近づくためにプレーヤーは努力するのです。Diablo3はシーズン制というものを導入していて、シーズン開始時にキャラクターのレベル1、装備全くなしの状態で全世界のプレーヤーが用意ドンでスタートし、数カ月後のシーズン終了時にどれだけレベル150に近づけたかを競います。今はシーズン16が開催中で、2019/1/19~2019/5/12まで開催される予定。キャラクターの職業によっても変わってくるのですが、大体トップレベルの人がレベル120オーバーぐらい、一通り装備を整えればレベル70~80には簡単に到達出来ます。ヒエラルキー表にまとめるとこんな感じ↓


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先程の「グレーターリフト何レベルまでいけました?」という質問は、「あなたはこのヒエラルキーのどこに属していますか?」という事を問うているのです。さてさて、一体何レベルまで行ったんでしょうね? レベル80ぐらいの新人プレーヤーなのでしょうか、それとも120オーバーの猛者だったり?ちなみに私はレベル111までクリア。頑張ってはいるけれど、まだまだ努力が足りない位置にいます。


今レベル30ぐらいですねー。もうこれ以上全然クリア出来なくて。無理っぽいですねー。

驚愕の返答内容。私これを聞いた瞬間、頭に血が上っちゃいまして。どうしても自分を抑えられなかった。


え? レベル30で詰まっているって言いました? 常識的に考えてそれはありえないんじゃ。なんでもっと真面目にやらないんですか?


怒りの源はなんなのか

あああああああ、なんて私はバカな事を言ってしまったんだろう。他の人のゲームの進捗状況にキレて、もっと真面目にやれとなじるとかありえないでしょ。ゲームの楽しみ方は人それぞれ、私が口出しするたぐいのものではないのです。


非常識にも程がある。二度とこんな暴言は吐いてはならない。再発防止のため、どうしてこんな暴言を吐いてしまったかを、自己分析してみたい。まず返答があまりに想定外でした。さっきのヒエラルキー表の下限をレベル70にしていたのからもわかると思いますが、私の中でレベル30とか存在すら忘れているレベルなのです。普通にやっていれば、レベル30なんて瞬間的にクリアして、楽々レベル70には到達可能なはず。それなのにレベル30しかクリア出来ないという事は、ゲームに対して真摯に向き合わず、テキトーに、チャランポランにプレイしていたという事です。私はそのゲームへの姿勢が我慢ならなかった。どうしても看過できない。なぜ「ゲームに対して真摯に向き合わない」事に対して、これ程の強い怒りを覚えるのだろう? この感情の源をたどってみると、大学時代のある事件に行き着きました。


空前の大貧民ブーム(私の周辺に限る)

大学の頃、なんだかわからないのですが、仲間内でトランプの大貧民が死ぬほど流行っている時期がありました。毎日、毎日、本当に猿のようにプレイしていてた。そこまでやり込むと全員の練度がものすごく上がってくるんです。例えば全てのカードの内で何が何枚切られたかなんて、当然のように全員が記憶していました。ただ私はあまり記憶力が良い方ではないので、2が何枚残っているかなどは覚えられたのですが、マークまでは無理だった。その点、内田の記憶力は抜群でしたね。私がビリになった時などに


残っているの、スペードのキングと、ハートとダイヤの6が2枚でしょwww

とかドヤ顔で言われてイラッとしたのを覚えています。黙れ。


大貧民は情報がとにかく重要なので、あの手この手で情報収集してました。「あいつは右から強いカード順にならべる癖がある。今右から3番目から抜いて出したカードがエースだった。だから残りの2枚は、2のペア?」「場のキング2枚に対して一瞬出すかどうか迷ったな。じゃあ1か2のペアを持っているに違いない」などなど、相手の些細な挙動から何を持っているのか推測するのです。ただこの辺の「読み」は、熟練者を相手にした場合、ブラフの場合があるので注意が必要です。例えば、安藤とか出せるカードを持ってなくても、出すかどうか迷う振りをするという空モーションを多用していました。毎回、必ず空モーション入れてくるので、ウザいったらない。もう分かったからやめれ。


そうそう、「ロープ」って奴も居ました。久保田の事なんですが、とにかくしばりが大好き過ぎて、プレイを曲げてまでしばりをするので、あだ名がロープになってた。懐かしい。こう思い起こしてみると、個性的で愉快なメンバーばかりでしたね。


私の人生でこれ程、大貧民に真摯に向き合い、ただただ大貧民に集中した時期はありませんでした。今後の人生で、大貧民を死ぬほどやるなんて、ちょっと考えられませんので、あの大学生のあの時こそ私の大貧民のピークであったと言えるでしょう。事件は、そんな大貧民の絶頂期に起こったのです。


君はじつにしょーもないね

細かい経緯は忘れてしまったのですが、いつも大貧民をやっているメンバーではない須崎という奴を入れて大貧民をやる事になりました。須崎に関して、存在を知っている程度でよく知らなかった。しょーもない奴だという事は、なんとなく知っていた。後になって分かった事ではありますが、実際に須崎はしょーもない奴だった。


そんなわけで大貧民が始まりました。参加者は、私、しょーもない須崎、空モーションの安藤、ロープの4人。そのゲームですが、始まって早々に荒れに荒れました。しょーもない須崎が序盤からキング、エース、2なんかの強いカードをバンバン通して来たのです。場に「ざわ…ざわ…ざわ…」という擬音が見えた気がした。これはあれですよ、しょーもない須崎の野郎、絶対に革命起こす気だ。我々はカードが配られた瞬間に、このカードでどうやって勝ちに持ってゆくかのプランを必ず練ります。その当初のプランはすべて捨てて、革命が発生する前提で戦略を大幅に変更する必要がありそうです。そんな不穏な空気で始まったゲームだったのですが、特に何も発生しないで終わった。革命も起きなかった。しょーもない須崎は、ぶっちぎりのビリだった。


「はあああああぁ?????」
「いやいやいやいや!!」
「ありえんでしょー!?」


とか口々にシャウトしながら、私達はしょーもない須崎に詰め寄りました。しょーもない須崎が最後まで残していたカードは、3やら5やらのゴミカードばかり、ペアにすらなっていないので革命なんて起こしようもない。しょーもない須崎は、大貧民の初心者というわけではなく最初からルールを一通り知っていました。つまり、しょーもない須崎は、ルールを把握した上で、なーんにも考えず、ただ強いカードから順に出していただけだったのです! そんな、まさか。そんな事って……もっと真面目にやってよ! 何も私は、切られたカードを全部覚えろとか、空モーションを混ぜろとか言っているわけではないのです。弱いカードを先に出し、強いカードを温存し、勝つために最低限の努力をして欲しいと主張しているのです。私は、これが過大な要求だとは思わない。


これは、大貧民という遊戯に対する冒涜行為です。お天道さまが許しても、私達が許さない。私達は、思いつく限りの罵詈雑言で、しょーもない須崎を激詰めしました。「ゴミ」「アホ」「クズ」「ミジンコ以下」「ボーンヘッド」「盲腸野郎」ロープに至っては、ローキックまでしていた。あんなにぶち切れたロープを見たのは後にも先にもない。私達は、しょーもない須崎が半泣きになるまで詰めるのを止めなかった。


今私に出来ること

まあ半泣きさせたのはアレだったかなと思わないでもないですが、私は自分がやった事を後悔はしていません。だって思い出すと未だにムカムカしますし、まだ許してもいません。しょーもない須崎は、それだけの事をしでかして、然るべき制裁を受けたというだけの事。ただ、この一件でしょーもない須崎が改心して、エクセレント須崎になるという事はまったくなく、奴は最後までしょーもない須崎のままでした。須崎を変えられなかったという意味では、私達が詰めに詰めた事は無駄だったのかもしれません。
それでも私は行動を起こすべきだと考えます。ゲームに対して真摯に向き合う事が出来ない奴は、どうせ人生に対しても真摯に向き合う事が出来ないのです。しょーもなさを存分に発揮して、そこら中で周りを不愉快にしているに違いない。これ以上の被害者を出さないようにするために、出来ることはしたい。


だとすると、冒頭のDiablo3レベル30の件で私がキレた件はあながち間違った行動ではなかったのでは? Diablo3のレベル30で詰まる人とか、ゲームに対して真摯に向き合えないしょーもない須崎予備軍と言ってよいでしょう。私のした行動は、第二のしょーもない須崎の発生を未然に防ぐための、適切な行動だったのです。いや、というかむしろ手ぬるい。罵詈雑言を浴びせて、ローキックを入れて、半泣きになるまで詰めるべきだった。なんということだろう、私の心が命じるままに振る舞えば、世界を正しい方向に導く事が出来るんじゃないか。これからは、ゲームに対して真摯に向き合えない人を発見したら、即座に、罵詈雑言を浴びせて、ローキックを入れて、半泣きにさせようと思います! うおおおおおぉ、これは世直し、これは世直しなんや!

世界はもっとダルシムに注意を払うべきだ

今になって思うと、私はもっと慎重であるべきだったのではないか。私は昔から来る者は拒まずの精神で生きている節がある。その時も友人に「今夜みんなで飲みに行かない?」と誘われたので私はよく考えもせずに

「行く」

と脊髄反射で答えた。うかつにも「みんな」の部分をスルーしたのだ。当然いつものメンバーで飲みに行くのものだと決めつけて。待ち合わせの飲み屋で待っていたのは、4人の若奥様だった。友人が言う「みんな」とは彼女の友人である若奥様4名の事を指していたらしい。うぇえええぇ、いやいやいやいや、聞かなかった私も悪いけど、こういう重大な事は聞かれなくても共有しなさいよ! しかもこのヘヴィーな状況に私を巻き込んだファッキン野郎は、仕事で急なトラブルが起きたとかなんとかで、開始5分でいなくなった。こうして私、若奥様4名(出会ってまだ5分)という謎のチームでの飲み会が突如として発生する事となったのだ。


この若奥様方であるが、敬意をもってここからは「マダム」と呼びたいと思う。年齢はおそらく私と同じぐらいのはずなのだけど、どうみてもマダム、完全なるマダム。絶対に白金か田園調布辺りを日傘をさしながら歩いているはずだし、なんならミニチュア・ダックスフンドを連れているはずだし、もちろん成城石井でイタリアの高いチーズを買っていると考えて間違いない。彼女達に最も似合う形容詞は「有閑」と断言出来る。私とは生きてきた世界が違う人種。私はマダムとファーストコンタクトした。


未知との遭遇は、私にとってもそうであるし彼女達にとってもまた未知との遭遇なのだ。隅っこの青い服を着たマダムなんて「なんでこの飲み会、異物が一人混じっているの?」みたいな顔している。そういう顔されると私傷つきます。なんでここにいるかなんて、私が世界で一番知りたい。


はー、それにしても、嫌な予感がする。もしかして、私とマダム達の間で共通の話題が物理的に存在しえないのでは? マダムが普段どんな会話しているとか知らんし。嫌な汗が出てきた。どうするのよこれ? ジョジョの何部が好きかってテーマで話をふっていいの? ダメだろそれ、ダメですよ! ふぁあああ。


いやいやいやいや、諦めるな私。彼女達と全く接点がないなんて、まだわからないじゃないか。仮にも同じ時代を同じ国で生きてきた同士じゃないか。彼女達と私は同じ文化を共有しているはずなんだ。可能性を信じろ。とりあえず話のとっかかりを探るんだ。


「ところで、皆さんはどういったつながりなんですか?」
「私達4人は、ヨガの教室で知り合った仲ですねー。ヨガ教室の後に、ご飯食べにいったりして仲良くなったんです。」


あ! これじゃない?! なんだ接点があるじゃないか。ここで万国共通のネタをぶっこんで笑いを取りにいけ!


「ヨガですか、なるほど、手が伸びたりする奴ですね」
「……え?」
「いや、あの、火を吹いたりするアレで……」
「……えっと、なんの話ですか? 火は吹きませんよ」
「なんかすみません、ストリートファイターIIってゲームにダルシムというキャラクターがいまして……」


ええええええええええエエええエエエぇええええぇ、どうしてこの人達ダルシム知らんのよ! なに! なに! なにその4人全員して「心の底からコイツ何言っているのかわからない」って顔は。どうやったらストリートファイターIIをスルーして人生が送れるの? じゃあなにやっていたわけ? 餓狼伝説? バーンナックルですか? もう私にはどうしたらいいか分からない。ダルシムを知らない人と何を話せばいいんだ……。開始5分で真っ白に燃え尽きてしまったので、この後にこの飲み会でどういった会話をしたか全く記憶にない。


私はこの歳になるまで世界は一つだと思いこんでいた。「ヨガ? ああ、ダルシムの奴ね」全ての人が、このようにヨガを捉えているものだと。でもそれはとんでもない勘違いなのだ。「ヨガ? ああ、インドのエクササイズですね。私ヨガマット持ってますよ」なんという事だろう、ヨガはダルシムを通してではなく認識する事が可能だったのだ。私の目にはもう世界がはっきりと分かれて見える。ダルシムを知っている人の世界とダルシムを知らない人の世界だ。


私が経験したように、ダルシムに対する認識の相違は深刻なコミュニケーションエラーを引き起こす。このダルシムギャップを回避するためには、日々の積み重ねが大切だ。友人、パートナー、上司、仕事仲間、先輩、後輩、家族、などなど、自分に関わる全ての人のダルシムステータスを把握しておかねばならない。私の場合初対面の人には「ダルシムを知っていますか?」と必ず聞くようになった。 ある意味で名前なんかより重要だからだ。 それにしてもFacebookに「名前」「出身地」「性別」とならんで、どうして「ダルシム」がないのだろう。SNSとして完全な設計ミスと言ってよいだろう。世界はもっとダルシムに注意を払うべきだ。


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アドベンチャーゲームに必要なのはカクテル

アドベンチャーゲームの話をしたい。アドベンチャーゲームと言えば古くはポートピア連続殺人事件、最近でしたらシュタインズゲートとかが有名でしょうか。昔のアドベンチャーゲームは「コマンド入力方式」が一般的だったとか。例えば「ドア タタク」と入力すると、ドアをノックした事になり家主が現れるなどするらしい。


今思うとすごいシステムですよね、適切な単語を自分で入力しないといけないわけですから。もし関西人が「ドア シバク」と入力しても何も起きないのです。東京の人は先に進めるのに、関西人は一生ドアをしばき続けるも先に進めない、なんと恐ろしい。その後さすがにまずいと思ったのか「コマンド選択式」が一般的になっていきます。3択とかで選択肢が出てきて選ぶやつですね。その後長きに渡って「コマンド選択式」はアドベンチャーにおける鉄板機能として使い続けられています。


ゲームである必然性

アドベンチャーゲームとは、立ち絵が動いたり、喋ったりしますが基本的な部分で小説と、とても近しい存在です。そのため「これ小説じゃダメなの?」であるとか「ボタン押しているだけで話が進むけど、これはゲームなの?」という心無い質問に備えなければなりません。「これは小説じゃないんです! ゲームなんです! ゲームである必然性もあるんです!」と主張する必要がある。その点、ゲーム性の付与のために選択肢でストーリー分岐ってお手軽なのだと思う。「ほら、この選択肢でエンディグが分岐するんです。小説じゃあこんな事出来ないでしょ?」ってなもんです。


コマンド選択式の問題点

ですが私は「コマンド選択式」があまり好きではありません。なんというか疎外感を感じる時がある。例えば主人公の心無い一言でヒロインを怒らせてしまった時に以下のような選択肢が出たとします。

  • あやまる
  • 逆ギレする
  • 走って逃げる


で私は「主人公は酷い事言ったよね、ここは誠心誠意謝るべきだよね」と判断し「あやまる」を選択します。そしたら


「なんで怒っているのか良く分からないけど、気に触ったならあやまるわ」

みたいなあやまり方をされる事がある。おーーまーーえーー本気で! あやまれ! どう考えてもそのあやまり方じゃあ火に油を注ぐ事になるでしょ。もし本当に怒っている理由が分からなかったとしてもだよ、反省している風であやまったときなさいよ…… 無駄に正直過ぎる。こんな風に私が期待した行動や言動と違う事をされる事がままある。


アドベンチャーゲームって、ゲームに没入して「主人公=私」となりきって物語を疑似体験する事が理想のはず。でもこういった私の期待と違った行動を主人公がする事で、ふぁああーと主人公から幽体離脱して私は第三者になってしまうのです。私を差し置いて物語が進行してゆく。寂しい、私も仲間に入れて欲しい。この主人公と私の乖離を「主人公 ≠ 私問題」と呼称したい。


各ゲームでの取り組み

ゲーム制作側でもコマンド選択式がアドベンチャーゲームへのゲーム性付与の完璧な回答だとは思っていないはず。実際、様々なゲームで単純なコマンド選択式ではない手法が試されています。いくつか私が思いつくやつを書き出します。


サクラ大戦3 〜巴里は燃えているか〜

サクラ大戦は、アドベンチャーゲームパートとシミュレーションゲームのパートが交互に発生するというシステムを採用しています。そのアドベンチャーパートで時間と共に選択式が変化するというのをやっていた。選択を迷っていると選択肢の一つが他のものと入れ替わるというもの。へーって感じで動きとしては面白かったのですが、それは3択が4択になったのと本質的に何が違うのだろうという疑問に答えられない気がする。


ポリスノーツ

メタルギアで有名な小島秀夫氏率いる開発チームが制作したアドベンチャーゲームです。画面上の様々な場所をカーソルで選択する事で調べる事が出来るという機能がついています。もし女性キャラクターの胸をクリックした場合、セクハラする事が可能です。「やめてください!」みたいな反応が返ってくる。しかしセクハラ機能も「主人公 ≠ 私問題」の解決は残念ならが出来ませんでした。だって私ポリスノーツでセクハラしている時、主人公のジョナサン・イングラムになりきって


「ぐへへっ、胸触らせろ、うへwwhww」

と思ってやっていたわけではなく


「小島秀夫なら絶対にセクハラ出来るはずだから胸をクリック。ほらやっぱり出来た。あ、複数回クリックしたらメッセージが変わるかも。小島秀夫ならやりかねない。クリック、クリック…」

とか小島秀夫の事を考えながら、真顔で胸クリックを連打しておりました。


Steins;Gate

シュタインズゲートは、フォーントリガーというシステムを採用しています。選択肢の代わり携帯電話の着信に応答するか、メールを返信するかなどでストーリーが分岐するというもの。話の途中とかで着信が入って来たりと中々自然な感じで悪くない。でも、結局メタ的な


「ここの反応によってフェイリスルートに入るか分岐しそう……」

といったゲスな事を考えてしまい「主人公 ≠ 私問題」発生。携帯電話が分岐の条件ということを知ってしまっているが故の悲劇です。私は主人公のはずなのだからルートとか気にせずに楽しめたらよかったのに。


ひぐらしのなく頃に

ひぐらしのなく頃にって最初にプレイした時にびっくりしたのですが、まったく選択肢が出てきません(後々に出た奴は違うかも)。なのでひたすらストーリーを読むだけです。内容は雛見沢村で発生した事件を扱ったミステリーで、プレーヤーは事件の真相をあーでもない、こーでもないと推理するという趣向でした。これはかなり意欲的な取り組みだったように思います。だってゲーム性の部分をゲームそのものに埋め込むのではなく、推理という形でゲームの外に出してしまったわけですから。


ただ私の肌には合わなかった。ゲームに対して関与出来る事がメッセージを次に送る事だけなので疎外感がすごい。なんか私って必要なんだろうか、君たちで勝手にやってくれないかという気分になった。もしリアルタイムでプレイしていたら2ちゃんねるで議論したり、考察サイトをみたりといったゲーム外の体験が出来てまた違っていたのかも知れませんが。


運命の出会い

そんなこんなで私は「これだ!」と思えるアドベンチャーゲームのシステムに出会う事が出来ていなかったのです。そんな中私のモヤモヤへの完全な回答を持っているゲームを見つけました!


VA-11 Hall-A ヴァルハラ f:id:notwen:20180207234008p:plain

ジャンルは「サイバーパンク・バーテンダー・アクション」主人公がバーテンダーで、選択肢の代わりにカクテルを作るという異色のアドベンチャーゲームです。ベネズエラのインディーズ・デベロッパが作ったゲームなのですが、日本のカルチャーにかなり影響を受けているらしい。絵も日本風ですし、インターフェースも一昔前の日本産アドベンチャーゲームっぽい。さらに日本語ローカライズは、ほぼ完璧なんじゃという素晴らしい訳でしたので快適にプレイ出来ました。


ヴァルハラはなんといいますか、もうカクテルなのです。なにせバーテンダーなのでカクテルが肝で、カクテルがアレで、すべからくカクテルでした。カクテルは5種類のカクテルの元? みたいのをレシピ通りに組み合わせて作るだけです。レシピはいつでも参照出来ますので、配合は間違えようがない。カクテル作成は、時間制限も無し、配合を間違えてもペナルティー無しで作り直せるので、ほぼ完全な作業です。微妙に提供するカクテルでメッセージが変わったりはするのですが、基本的には注文のあったカクテルをそのまま出せば問題ありません。「ブランディーニをちょうだい」と言われたら、ブランディーニを作って提供すればいい。つまりこれ突き詰めて考えると選択肢が一つしかないコマンド選択式と同じ事なのです。だってお客様は神様で私には選択の余地はないのだから。文章に書き起こすとしょーもないシステムに見えますが、これが実際にプレイしてみると素晴らしかった。とにかく素晴らしかった。


確かに私には選択肢の余地はないです。でも私がレシピを参照して、私がカクテルの元を配合して、私がシェイクしたカクテルをゲームのキャラクターが「美味しい」と言ってくれるのです。私の体温が移ったカクテルをキャラクターが飲むのです。私はゲームの世界に触れた気がした。私がバーカウンターの奥に立っているのがありありと想像出来た。私はバーテンダーのジルなのだ。目の前にいる常連客のアルマは大切な友達。このバー「ヴァルハラ」こそ私の居場所。さあ仕事だ、今日も一日頑張ろう。 一日を変え、一生を変えるカクテルを!


アドベンチャーゲームに必要なのは、選択肢ではなくカクテルだったのだ。

さらば愛しき艦これよ

以前に艦隊これくしょん(略称:艦これ)をやっていましたが、2年ほど前に辞めてしまいました。今日はその辞めてしまった時の事を書こうかと思います。まず最初に声を大にしてお伝えしたい事は、私は艦これを憎んではいないという事です。


「ファッキン艦これ、地獄へ落ちろ腐れ運営、もう二度とこねーよ、ぺっ、ぺっ」

みたいな事を書くつもりは毛頭ありません。もし辞めた直後にこのエントリーを書いていたのならば、少々感情的になっていた可能性はあります。しかしもう辞めてから2年も経過していますし、今の私ならば落ち着いて語れるでしょう。思い出してみて思う事は、艦これは素晴らしいゲームだったという事。私は艦これというゲームを心から愛していましたし、艦これも私を愛してくれていた。「愛していたのなら辞めなければよかったのに」とおっしゃる方も居るでしょう。それはある意味では正しい。ただ私に言わせれば、相思相愛の者同士がずっと一緒に居られると考える事はロマンチックに過ぎる。相思相愛であったとしても、距離を取る方がお互いのためになる事もあるのです。坊や、あなたが思うほど世界はシンプルじゃないのよ。


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艦これとは

艦これをご存知ない方のために、艦これがどういったゲームなのかを簡単に説明させてください。艦これは旧帝国海軍の軍艦を擬人化したブラウザで動くソーシャルゲームです。野郎は皆無で、すべて女の子に擬人化されます。軍艦は古来から船は女性に例えられて来ました。「姉妹艦」「処女航海」なんて言葉からもそれがうかがい知れます。ですから女の子へ擬人化は歴史的観点から言って正しい。戦艦、正規空母といった大型の艦種は大人の女性、駆逐艦といった小型の艦種の場合は幼い女の子になります。艦これではこれらの擬人化された艦の事を艦娘と呼びます。


プレーヤーに課せられる役割は提督となることです。艦隊を編成し、海戦へ艦娘を送り込みます。海戦を終えると修理や補給が必要になります。修理や補給には資材が必要となるため、その資材のマネージメントも提督の仕事です。海戦を終えると新しい艦娘が手に入ります。そしてまた艦隊編成 → 出撃 → 新艦娘入手 → 修理・補給 → 艦隊編成……。 極論してしまうと、これを延々と繰り返すゲームです。


大体、3ヶ月に一回ぐらいの頻度でイベントが開催され、イベント期間中は通常より難度の高い海域にチャレンジする事が可能になります。イベントをクリアすると新しく実装された艦娘が入手出来たり、強力な武装が手に入ったりします。課金要素は昨今のソーシャルゲームに比べてかなり控えめで、艦を修理するための入渠ドックの拡張(1,000円 x 2)、保有艦の最大数の拡張(10隻辺り1,000円)ぐらいしておけば、ほぼ問題なし。私の場合、2年間で課金したのは合計で2万円~3万円程度だったはず。


何が楽しかったのか

私が艦これを初めたのは、2013年7月27日。艦これのサービス開始が2013年4月23日なので結構早い。艦これブームに火がつき始めたぐらいだったと記憶しています。艦これってブームの燃え上がり方が半端じゃなかった。急に来た。ある日を境にして、私のTumblrのダッシュボードが艦娘の画像で埋め尽くされる事態となりました。さすがにこのビッグウェーブには乗っといた方がいいかもと提督生活をスタートさせた。


初めた当初は無茶苦茶楽しかったです。結構な作業ゲーなのですがとにかく楽しかった。この当時でも確か150艦ぐらいは艦娘が実装されていたと思います。つまりポケモンクラスの数なのです。しかもこの艦娘、声優をゴリゴリに使ってよく喋るし、また一艦一艦が個性にあふれていてとても魅力的なのです。最初は、駆逐艦しかいないのでどこの幼稚園だろうという雰囲気。最初に手に入れた正規空母である赤城さんはまさに神クラスの火力だった。最初の戦艦である山城さんの燃費の悪さと修理代の高さには目玉が飛び出るかと思った。日々新しい艦を我が艦隊に迎えられるのが嬉しかった。それによって艦隊が少しずつ強くなっていくのが喜びだった。


生活がどう変化したのか

艦これを初めてから私の生活は完全に艦これが中心になりました。艦これには遠征という資源を獲得するために艦隊を遠方に派遣するという作業があります。例えば艦隊を送り出して6時間経つと各種資材やアイテムが手に入るとかそんな感じ。私は、この遠征、および艦娘達のレベル上げ、クエストの消化を効率的にこなすためにスケジュールを作成して実行していました。寝る前に遠征に出す、朝起きたらメンバーを交代して再度遠征に出す、夜にはデイリークエストを消化、その後育成中の艦を率いてレベル上げ、寝る前には遠征に……。


一日あたり艦これに費やす時間はおおよそ2~3時間ぐらいだったでしょうか。結構な時間を投入していました。プレイした期間は2年でしたので、ざっくり計算でプレイ時間は2,000時間ぐらい。


どこまで到達したのか

艦これを知っている方向けに私の提督としてのステータスを書き出します。

  • 提督であった時期:2013年7月27日 ~ 2015年夏イベントで引退
  • 提督レベル:112
  • 所属サーバー:舞鶴鎮守府
  • Lv150カンスト艦:1艦(北上さん) ※ 当時の最高レベルは150だった
  • ケッコンカッコカリ:22艦
  • イベント消化状況:
    2013年夏イベントは参加するも未クリア
    それ以降の2015年夏までのイベントは全てクリア
    難易度変更可能になってからは全て甲でクリア
  • コンプ状況:
    2015年夏イベ以前に実装済みの艦は全て入手済み
    改二実装艦はすべて改二に改修済み


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結構やった方ではないかと思います。全艦持ってましたし。しかも各艦種をまんべんなくレベルを上げいましたので我が艦隊には隙は全くない状態。まあ舞鶴という古参サーバーの所属でしたし? 私に抜けない海域は無いという自信がありました。だってそうじゃないですか、100レベルオーバーは22艦も居るし、戦力として使えるLv80以上の艦なんて100艦ぐらい居るんですよ? 私が勝てないとかそれはゲームとしておかしいってもんですよ。


Xデー

あの運命の日の話をしたいです。2015年の夏イベントの時です。艦これは季節毎にイベントが開催されますが、その中でも夏のイベントが最大級です。この年もパンチが効いていて全7面におよびました。しかもその最終マップは、複雑で過去最高クラスの難易度だという噂。


ここでイベントマップの勝利条件についてお話したい。イベントマップでは、一度敵をタコ殴りにしたら終わりというわけではありません。ゲージと呼ばれる右上に表示されるメーターを何度も出撃して削る必要があります。


f:id:notwen:20180114022618p:plain ※ 画像は別の時のイベントのもの

そしてゲージを削りきった後に、敵艦隊の旗艦を撃沈すれば勝利です。ゲージを削る段階では、旗艦を撃沈までしなくても体力さえ削れば、ゲージを削る事が出来ます。最後だけは最強の敵艦である旗艦を撃沈しないといけないのです。


f:id:notwen:20180114023119p:plain ※ 画像は別の時のイベントのもの

私は6面までクリアしてとうとう最終海域に挑む事にしました。先程のゲージは時間と共に回復するという鬼畜な設定となっていました。ですから高橋名人に従ってゲームは1日1時間で艦これイベントをやっていたら一生クリア出来ません。明日になったらゲージが全快しているのですから。だから最終海域は一気に攻め落とさなければならないのです。

10:00 出撃せよ!

朝の10時から最終海域へのトライを開始しました。長い戦いに備え前日はぐっすり10時間ぐらい寝てやった。普段食べない朝食もしっかり食べた。水分補給のために500mlのお茶(伊右衛門)を2本用意。心なしかお肌のツヤもいい。心技体共に充実しています。今日の私に抜けない海域などはありはしない!


15:00 ゲージを削りきった

5時間ぐらいかかってゲージを削りきりました。ふー。さすが最終海域手こずらせてくれる。ただもうゲージはありませんから、後は旗艦を沈めるだけです。まあいけるでしょ。昼ごはんはまだ食べていませんが、旗艦を沈めてから食べるとしましょう。


17:00 いまだ敵旗艦沈まず

まだあわてるような時間じゃない。

ちなみにもうすでに7時間やってますが、ずっとボスと戦っているわけではありません。艦にはコンディション値というものが設定されていて、ボス戦ともなると味方艦のコンディション値を最高にしておかないと勝利の可能性が著しく下がるのです。ですから、簡単な海域に出撃してコンディション値を上げるという作業が必要になります。この事をキラ付けと言います。30~40分かけてキラ付け、ボスに挑んで5分でバキバキ、修理、キラ付け……これを延々を繰り返します。なのでキラ付けという単純作業をしている時間の方がボス戦より明らかに長い。


19:00 敵旗艦沈まず

30~40分かけてキラ付けした艦隊が速攻で大破させられるのは大変心にきます。それでも何度大破させられても立ち上がらなければならない。ここで辞めたらここまでの苦労が全て水泡に帰すのだから。私は艦これに試されている。


21:00 旗艦沈まず

この最後の旗艦を沈めるトライの事を、艦これ界隈では「ラストダンス」と呼びます。うまいこと言ったもんだ。「ラスト」とは最終海域をクリアしてハッピーエンドとなる「ラスト」なのか、それとも敵旗艦の前に屈する「ラスト」なのか。
私はまだ舞えるぞ!


22:00 沈まず

Twitterで同じ事をやっている提督の阿鼻叫喚を眺めながらのラストダンス
血を吐きながらダンスを踊っているのは、私一人じゃない


23:00 沈ま

行けるってまだ、行けるって。私達ならっ


24:00

そろそろ資材が心許なくなって来た
1ヶ月かかってコツコツと貯めた資材がどんどん溶けて行く


25:00(深夜1時)

補給・修理して出撃
補給・修理して出撃
補給・修理して出撃
……


26:00(深夜2時)

あああああ、もう少しで倒せたのに!!!!!!!
もう、もう、もう!!


27:00(深夜3時)

課金実施
キラ付けを楽にするアイテム購入


28:00(深夜4時)

資材は限界

色々な意味でそろそろ限界

次がラストチャンス

いいよーいいよー







ああああああっ、いいじゃん、いい

照月来る?

いけええええ

後、1発で勝てる!

1発っ

うおおおお

ミス

ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ

んんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんん

私は椅子からずり落ちて仰向けにぶっ倒れました

そして転がっていたペットボトルに八つ当たりをした

このお茶野郎!

散々、ペットボトルを蹴って、殴って、チョップしてあたり散らかした

深夜4時に

はああーーー私なにやってんだろう……

寝よ


ペットボトルを用意せよ

何も食べずに18時間ぶっ続けでやったけれど勝てず、ペットボトルにあたり散らかす事態になったため、この日限りで艦これをスパッと辞めました。以上が私の艦これ引退の顛末でございます。人間ペットボトルにあたり始めたらもう駄目です。


精も根も尽き果てて辞めたのですが、2年経った今思う事はとても幸せな別れ方をしたということ。あの時ペットボトルを一回殴るたび冷静になっていくのを感じました。ペットボトルのおかげてギリギリのラインで辞める事が出来た。あれ以上1秒でも艦これをやっていたら、私は艦これを嫌いになっていたでしょうから。私は今でも艦これで出会ったキャラクター達が大好きです。


残念ながら私のような幸せな艦これとの別れ方が出来た人は少ないように思います。艦これを引退する際に怨嗟の声を残して去って行く人はとても多い。そんな声を聞くにつけ、私の胸は悲しさで締め付けられます。この人の傍らにはペットボトルがなかったのだろうか? ペットボトルがなかったから引き際に気づけなかったのではないだろうか?


今艦これを、いいえ艦これに限らず全てのソーシャルゲームをしている皆さん。ゲームをする際には必ず500ml のペットボトルを傍らに置いて欲しい。ペットボトルさえあれば、きっとあなたの大好きなゲームを大好きなままでいられるはずです。ちなみに殴り心地のよい伊右衛門がおすすめです。


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ハースストーン、シャドウバースにおける日米の価値観・美意識の差異に関する考察

最近、ハースストーンというオンラインカードゲームを良くやっています。ほぼ、同じコンセプトのゲームでシャドウバースというゲームが存在します。ハースストーンはアメリカの会社が作ったゲームで、シャドウバースは日本の会社の作ったゲームです。この両者、ゲームのシステムがほぼ同じというレベルで似ています。ハースストーンの方が2年早くリリースされているのでシャドウバースの方が、ハースストーンを参考にしたのは間違いないでしょう。私はハースストーン派の人間なので「シャドウバースさんは、もうちょっと別な感じのシステムにする努力をしてくださいよ」とか思わないではないのです。ですが、まあまあまあまあ、ゲームはパクリパクられ発展してきた側面もありますし、パクリはゲーム業界の文化という事で別にいいんじゃないでしょうか。

それよりも注目したいのは、日米での価値観・美意識の違いです。この両者はシステムも似ていますが、背景の世界観も似ている。どちらもドラゴンが出て来るような剣と魔法の世界です。ですから、日米のデザイナーが同じ枠組みの中でよーいドンッで、カードをデザインしたらどんな違いが出て来るのかを比べられるのです。これが何もかもが違うレベルだった。

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調査してみました

もう見るからに違うので、不要かなとすら思ったのですが、まあ曲がりなりにも客観的な数字があった方が読み手の皆様により伝わるというものでしょう。いくつかの項目でハースストーンとシャドウバースのカードを分類してみました。対象はキャラクターのカードです。ハースストーンでは「ミニオン」シャドウバースでは「フォロワー」と呼ばれているカードです。場に出して戦ってもらうために戦士やモンスターなんかが描かれています。他にもスペル、武器(ハースストーン)、アミュレット(シャドウバース)というようなカードの種類もあるのですが今回は対象外とさせて頂きました。調査対象は、7/10現在で実装済みの全キャラクターカード、ハースストーン 812枚、シャドウバース 595枚です。

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調査1: 人なのか否か

カードには、様々な絵柄がかかれています。人間、獣、ドラゴン、モンスター、神様に至るまで。まず手始めに、カードに人間が描かれているのか、それ以外なのかで分類しました。ちなみにこれ以降の調査全てに言える事ですが、結構雑にカウントしております。だって微妙なケースが多かったのだもの。「これ人間と言えば人間だけど? うーん。」みたいなケースが大量にありました。一応の方針として、オーガなどこれは人間というよりモンスターよりだろって奴は「人外」に、エルフなど耳は尖っているけどほぼ人間ですよねって奴は「人間」にカテゴライズしてあります。本当に微妙なケースに関しては私の独断とフィーリングで決めましたのでご了承ください。

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さて、結果ですがハースストーンとシャドウバースでほぼ真逆の結果となりました。ハースストーンは、人間:30% 人外:70%なのに対して、シャドウバースは、 人間:70.9% 人外:29.1%です。つまり、ハースストーンは主としてクリーチャー同士がドッタンバッタン戦って、シャドウバースは、人間同士がキャッキャウフフするという戦場になるわけです。まーなんとなくわかります。アメコミって主人公がモンスター的だったりよくしますからね、ハルクとかX-メンとか。一方で日本のマンガで世界を救うのは、たいてい人間、しかも少年少女と相場が決まっています。

調査2: 男女比率

次は人間のカードに関しての男女比率を調査いたしました。こちらに関しましては、調査に辺り予断を持ってあたった事を告白させてください。こういった調査は、結果がどうなるかに関して事前に予想をもっているような事は避けるべきなのです。調査に余計なバイアスがかかってしまい、正確な数値が出なくなる恐れがあるからです。

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でもこれは仕方がないのです、だってシャドウバースが「どこのシャドウバース女子高等学校だよ」って感じなのですもの。思った通りシャドウバースは女子だらけでした。ただ、女子率は67%で意外と男いたんだという印象。絶対、女子率90%ぐらいだと決めつけていたんですけどねー。ハースストーンは、女子率40%で結構バランスが良かった。こっちは逆にもっとおっさんだらけのイメージだったのに。

調査3: お嬢ちゃんいくつだい?

さっき予断がなんとかとか書きましたがこっちもですね。明らかにハースストーンは、おっさんだらけで、シャドウバースはティーンエイジャーだらけなのですもの。私の肌感を確認するために、男に関しては「おっさんかどうか?」女子に関しては「ティーンエイジャー」かどうかという軸で調査を実施しました。

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こちらのデータは、おっさん率でございます。ハースストーンは、おっさん率80%で驚きの茶色さ。シャドウバースは若者ばかりですね。この数字を見ると、さすがアメリカ、使用する前提の軍隊を持っている国は違うなーという感がします。ナチスのヒトラーユーゲントにせよ、日本の学徒出陣にせよ、若者が戦場に立たなければならない時点で色々な意味で戦争はもう終わっているのです。未来ある若者が戦場で散っていいはずはない。それでは次代の担い手がいなくなってしまうではないですか。「戦線は我々が支える。戦場こそ男の死に場所よ。乳臭いガキはすっこんでな!」

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ティーンエイジャー比率に関しましては、シャドウバースは予想通り若い女子ばかりでした。「これ幼女では?」みたいのまで結構いましたよ。さすが日本やってくれる。一方でアメリカですよ。まさかの3枚、全812枚中ティーンらしき女子はたったの3枚だけでした。しかも「薄目で1メートルぐらい離して眺めれば、ティーンに見えない事も無い」というカードが3枚ですよ。戦場に女子供は連れて行かないという姿勢が徹底している。

調査4: 目を光らせていけ

これだけはどうしてもカウントしてみたかったのです。ハースストーンの女性陣は、なぜか目が光っている事で有名なのです。「このカードの女性、目が光ってなければキレイなのに」なんて声はよく聞きます。

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ほらほらほら、光っている率40%ってちょっと異常じゃないですか? 普通街を歩いていても、目が光っている淑女はあまり見かけないじゃないですか。もしかしたら何かの呪いなのかもしれません。それとも、アメリカでは美の条件として目が光っている事が必須だったりするのでしょうか?

たた、人間って恐ろしいものでハースストーンの調査を終えた辺りでは、目が光っているのに慣れてしまい「そら光るでしょ」ぐらいに毒されていました。だからシャドウバースで目を皿のようにして調べて も、一枚も目が光っているカードを見つからないのが信じられなかった。なんで光らないん?

調査結果まとめ

ハースストーンは、最初に人外のクリーチャーで押しつぶし、続いて突入したおっさんが戦線を支え、女性は内助の功として光る目で足元を照らすという結果となりました。アメリカの戦術思想が透けて見えて興味深い。アメリカという国は、人的な被害を嫌う国です。決まって戦端を開く際に巡航ミサイルでこんがり焼いてから人間を投入します。戦いの流れが似ている気がする。ただ、光る目が現実世界の何と対応しているかは不明ですが……。

シャドウバースは、うら若き乙女を大量投入する事で、一種の女子高状態に持っていき「戦いってなんだったっけ?」とうやむやにする戦術と思われます。さすが世界でも稀な平和憲法を持っている国です、考えている事が違う。「萌えは世界を救う」なんてパワーワードがあります。私も世界中の人々が声優の演技や、作画崩壊について語り合っていれば世界平和が達成出来るんじゃないかと思う事はあります。世界中がそうだったらどんなにいいだろう。

というわけで、現実主義のアメリカ人、ロマンティストの日本人という事がわかりました。日本の理想は尊くて美しいと思いますが、ただ夢や理想だけでは食ってはいけないのです。その点で、現実を見つめておっさんを大量投入しているハースストーンが私は好きかな。シャドウバースはもっとおっさんを大量投入するべきです。次の拡張パックはおっさん限定パックを提案します。

番外編: ツインテール

ついでです。調査中に日米のツインテールの違いがものすごく気になったので。アメリカはツインテールってものを何か勘違いしているのかな? どうしてガチムチにしてしまったのだろう。

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LoL はエアプでにわかの私が支える

最近、League of Legends(以下、LoL)の大会配信をよく観戦するようになりました。この LoL というゲームを軽く説明したいのですがこれが難しい。「こんなジャンルのゲームです」って事すら難しい。LoL は、マルチプレイヤーオンラインバトルアリーナ(Multiplayer online battle arena)略称でMOBAと呼ばれるジャンルのゲームです。ゲーマー以外は MOBA と言っても通じないと思う。

では、同じジャンルで有名なゲームを挙げて説明するのはどうでしょうか。「KOFとはストリートファイターIIのようなゲームです」みたいな。でもこれも無理。日本で誰もが知っているような MOBA の有名ゲームが存在しないから。というか日本で一番有名な MOBA が LoL なので「LoL とは、あの有名な LoL のようなゲームです」と自分で自分を説明するはめになる。

League of Legendsとは

仕方がないので、私がどんな事をするゲームなのか説明させてください。まずプレーヤーは、チャンピオンと呼ばれる2cmぐらいのちっこいキャラクターを操作します。チャンピオン毎に攻撃力が高いけど脆いとか、相手をスタンさせる能力があるとか、移動速度が速いというようなさまざまな特徴が設定されています。ゲームはチーム戦で、5対5で行います。つまりネットごしに10人の人間がゲームに参加するのです。ゲームフィールドの端にはネクサスという名前のクリスタルが 自陣側と敵陣側にそれぞれ1個ずつ配置されています。これは将棋の王将みたいなもので、自陣のネクサスを破壊されると負け。というわけで5人で協力して敵陣のネクサスを叩き割るために頑張ります。大体一試合には30分~50分ぐらいかかります。


f:id:notwen:20170702204013p:plain LCK Summer: BBQ vs. EEW | SKT vs. MVPより)

世界中に大人気のプロスポーツ

LoLには、LJLという名前で日本にプロリーグが存在します。シーズン中は毎週末に試合をやるので、それを楽しく観戦しております。後、韓国のリーグであるLCKもちょいちょい観ます。LoL はとにかく韓国勢が最強なので、LCKが世界最高峰のリーグです。野球でいうMLBみたいなもの。他にも北米、ヨーロッパ、中国、台湾、トルコ、ベトナム、ブラジル、メキシコ、オーストラリア、ロシアでプロリーグが存在します。世界大会もたくさん開かれています。大体、Twitchとかで配信してくれているので無料でOK。とにかく LoL は世界中で大人気なので観戦する試合には事欠かないです。

にわかである事を誇りとせよ

LoLの試合はよくみるのですが、実は私 LoL をプレイした経験がまったくありません。1秒もプレイした事がない。基本無料なのでやろうと思えばやれるのですがやってない。私オンラインゲームのチーム戦とかしても、チームそっちのけで自分のプレイに集中するタイプのダメな子なんです。チームで協調しないとどうにもならない LoL はどうにも向いてない気がしてどうも。後、1試合のプレイ時間が30分~50分と長いのも二の足を踏む要因です。

というわけで私はとんだにわか勢だし、 エアープレイ勢なわけです。にわかがLoLの試合を観戦している……なんと素晴らしい! 私のやっている行為は、LoL という e-Sports に対して大変プラスになっていると言えます。だって他のプロスポーツを見てご覧なさい。野球、サッカー、アメリカンフットボール、F-1、それらを観戦している人々がそのスポーツを自分でがっつりやっていると思います? やっているはずがない。私とかアメフト大好きですが、まったくやったことないし。野球もキックベースしかやったことない。つまり、あらゆるプロスポーツは、無数のにわかが支えているのです。大量のにわかがテレビで観戦したり、試合のチケットを買ってくれるから選手の給料が出るのです。にわかが大量発生してこそ一人前のプロスポーツと言って良いでしょう。全国の LoL にわか勢の皆様におかれましては、自分がプロスポーツとしての LoL の発展に貢献している事を誇りとして頂きたい。

オフサイドトラップを私は出来ません

ただ、その LoL ですがスポーツとしての歴史が浅いこともあってか、にわかの絶対数が少ないのです。Twitchなどで「ブロンズは黙れ」というようなコメントを良く見かけます。ブロンズとは、LoL 内のランクの事です。上手くなる程、ブロンズ→シルバー→ゴールド … とランクが上がっていく仕組みになっています。ブロンズは一番下のランクで、全プレーヤーの30%程がブロンズランクです。つまり先程のコメントは「下位30%の下手くそは発言しないで頂けますか?」という意味です。

こういった空気は良くないですねー。ブロンズですらない私とかどうしたらいいのかって話になります。黙るだけでは足りないでしょうから、服でも脱いでお詫びする他ない。そもそも、こういった発言が出るという時点でにわかが少ない事の証左と言えるでしょう。だってサッカーとかで「オフサイドトラップ出来ない奴は黙れ」とは言われないじゃないですか。だってみんなオフサイドトラップ出来ないから。LoL も観戦している人がブロンズ以下の下手くそだらけの状況に持っていく必要があると思います。

目指せブロンズ以下だらけ

今のところ「ブロンズは黙れ」状態なので、LJLとかの実況・解説でもプレイしている人が観ている前提になっています。この前なんか「Ceros選手のキューの精度が素晴らしいですね!」みたいな事を言っていたのですが、私とか ???? って感じですよ。「なんかボール的なものが出てたから、球の精度? いや他のチャンプでもキューって言ってたような?」分からなかったので調べたところ、どうも「キュー」とは、LoLでキーボードの「Qキー」を押した時に出る技の事を指しているらしい。知るか! Qキー押したら何が出るかなんて知りませーん。やった事無いって言ってるでしょ。技にはちゃんと名前が付いているようなので「Ceros選手のダークスフィアの精度が素晴らしいですね!」にして頂きたい。

LoL はよく分かっていない人が観ても楽しいです。なんかワチャワチャしているのをみているだけで楽しい。LoLは、大きく成長して他の数多のプロスポーツと同じくにわかだらけになる可能性を感じます。だから運営側でもにわかが観ている前提の実況・解説をしてもらえると嬉しいなと思いました。

ゲームのレビューがしたい「Factorio」

Factorio
http://store.steampowered.com/app/427520/

私、急にゲームのレビューがしたくなってきました。今日、面白いレトロゲーのレビューを見かけていいなと思いまして、もりもりと私も私もという気分が湧いて出てきたのです。そんでですね、タイトルは何にしようと私のプレイしたことのあるファミコン、メガドライブ、スーパーファミコンぐらいの世代のソフトをリストアップしてみました。そしたらラインナップがもーつまらんかったのですよ。なんだこれ、やる気を出せ。なんと言うか普通? ドラクエとか、クロノトリガーとか誰でも知っているでしょう? もっとこう、知る人ぞ知る的な、ゲームに詳しい人が渋いチョイスだねとニヤリとして、あまり詳しくない人にはそんなゲームあったんだ! と気づきを与えるような奴がいい。昔の私のなんとやる気のないことか。まだ最近の私のプレイしているゲーム達の方が知る人ぞ知る感がでているわ。というわけで、レトロゲーじゃないけどこの前からプレイを始めているFactorio(ファクトリオ)の話を今日はしようかな。

工場運営ゲームです。舞台は宇宙船が墜落してしまった惑星。この惑星から脱出するためのロケットを作る事が最終目標です。グラフィックは、スーパーファミコンのシムシティぐらいですかね。ゲームを始めるとちっこいプレーヤーキャラクターが荒野にほっぽり出された状態から始まります。フィールドには、鉄、銅、石、石炭、石油などの資源が転がっているので、これらを組み合わせてロケットを作るのです。鉄を石で作った炉に石炭をくべて精製して鉄板にします。銅からは銅板→銅線と加工。先ほど作った鉄板と銅線を組み合わせて電子基板を作成。このようにローレベルの資源の加工を繰り返し順々に高度な生産物に加工していくのです。そしてこれらの加工は自動化する必要があります。鉄資源の上に燃料式掘削機を設置、採掘された鉄鉱石をロボットアームでベルトコンベアに移す。ベルトコンベアで運ばれた先でロボットアームで鉄鋼石を炉に入れる。炉で鉄鋼製を精製して作った鉄板を別のコンベアに載せて……こんな風。掘削機やロボットアームも燃料が無いと動きませんので、石炭をベルトコンベアで運ぶ供給ラインを引いて動力を確保する必要がある。

文章にすると地味なのですが、プレイしている姿も地味です。知らない人が見たら地味なグラフィックの地味なベルトコンベアの上を流れる地味な資源を眺めて何が楽しいのか理解出来ない違いありません。でもこれがいいのですよ。楽しいというよりむしろ気持ちいい。私の組んだ生産ラインが期待通りに完璧に動作しているさまを眺めるのは気持ちがいい。また、完全自動化のラインを組んでしまったらプレーヤーが暇になるということはまったくない。工場は生きものです。「石炭動力をやめて電化を進めよう」「この電化で不要になった石炭供給ラインは、組み替えて歯車用に転用しようかな」「うーん、銅が足りないので銅の採掘機を増やそう」などなど不断のメンテナンス、リプレース、拡張が必要なのです。そしてこのゲーム、タワーディフェンス的な要素もあって、犬みたいな生物が定期的に襲ってきます。それをターレットやら本人が銃をぶっぱなすやらで撃退するのですが、そいつが嫌らしい事に私の完璧な工場を破壊してまわるのです。その際に鉄鉱石のコンベアが破壊されたりすると、鉄鉱石がこないから鉄板の生産が止まって、鉄板がないから鋼材の生産が止まる。生産ラインは絶妙なバランスの上に作られているので一箇所が崩れると、どんどん上位の生産物に波及していって総崩れになってしまうこともしばしば。泣きながら生産ラインを修復して、完璧な状態に戻った工場をみてニンマリ、そんなゲーム。私は完全にストライクど真ん中なのですが、人を選ぶゲームかもしれない。RPGのレベル上げを延々やるのが大好きな人とか絶対に向いている。ここまでの説明で「おっ」と若干前のめりになった人は試してみる価値はあるでしょう。いい感じに時間泥棒をしてくれますよ。

日本語化もされていますし、最近Steamという世界的なゲームプラットフォームで販売されるようになったのでかなりプレイしやすい環境が整いました。ただ、アーリーアクセスという形態での配布です。アーリーアクセスとは、未完成の状態で販売を開始してしまって、ユーザーに実際にプレイしてもらいフィードバックを集め、修正してから正式版をリリースするというもの。Steamのアーリーアクセスは、お金を集めるだけ集めて未完成のまま放置されるなんて事がよくあり、嫌な予感しかしない。しかし、Factorioに限り気にする必要はないでしょう。もう4年も開発しているそうだし、そもそも何がどう未完成なのか問い詰めたいレベルの完成度なのですから。

Factorio

影響を大きく受けた似たようなもの

まず初めに注意事項を。怒りに任せて文章を綴っていたら品の無い文章になってしまいました。どうも大量に使った「パクリ」という単語が悪いイメージを発散しているのが原因と思われます。ですので「パクリ」という単語を「影響を大きく受けた似たようなもの」と置き換えました。こちらの方が私の本意が正確に伝わると信じます。以下がその本文です。よろしくお願いします。

え、ナニコレ、ドウイウコトナノ? 皆さん知ってます?ドラゴンクエストビルダーズってスクエニから発売されたゲームなんですけど。ニコ生で体験版をプレイしている配信を観たのですが、どの角度から眺めても、どの瞬間を切り取っても、どう解釈してもこれマインクラフトだ。 完全にマイクラの影響を大きく受けた似たようなものです。オープンワールドで、あらゆるものがキューブ状の素材で出来ている、その素材を採取、集めた素材を使って別のものを作る。その基本的なコンセプトがまったく一緒で完全にマイクラの影響を大きく受けています。こんなのマイクラにドラクエの皮をかぶせただけじゃないか。

悲しいです。私は悲しい。数々の名作を世に送り出してきたあのスクエア・エニックスが影響を大きく受けて似たようなものを作るなんて……。かつてのゲーム業界王者としてのプライドはどこへ行ったのか。ゲーム業界の荒波に揉まれプライドを捨ててしまったのか。天が許しても、私は許さない。スクエニは潔く腹をかっさばいで死ぬべき。

ところで、マイクラの影響を大きく受けた似たようなものといえば「テラリア」がありますね。マイクラの2D版とも言われているゲームです。 そういえば私、Steamで以前にテラリアを購入したものの、まったくプレイせず積んでいる状態でした。マイクラの話がでたので、この機会にプレイしてみますか。夕方から始めたのですが、気づいたら深夜2時になっていた。あぶっ、危ないこのゲーム。あやうく持っていかれるところだった。

マイクラに大きく影響を受けたテラリアを10時間ほどぶっ続けでプレイして感じたのですが、別に影響を大きく受けても何の問題もないじゃないかという事。だって、テラリアはマイクラに似ているけれどすごく面白かったんですもの。似ているからといって、マイクラの劣化コピーというわけでは決してなく、テラリアにはテラリアの面白さがあった。さっきまでの私は、なにをそんなに義憤にかられていたのか。大体ゲームにおいて影響を大きく受けて似たようなものを作るのは今に始まった話じゃないのです。ドラクエだって、ウルティマとウィザードリィの影響を大きく受けています。ドラクエのヒット後には、大量のドラクエ風ゲームが作られました。それらはすべてドラクエの似たようなものとしてとして断罪されたでしょうか? いえ、それらはまとめてRPGと呼ばれました。まったく新しい革新的なゲームが世にでると、それに追従するゲームが出てきます。新しいジャンルの誕生です。そのジャンルの中でそれぞれが面白いゲーム作るべく努力します。そのジャンルの進化が煮詰まってくると、また革新的なゲームが生まれ新しいジャンルが開拓されます。これを繰り返す事でゲームは進化してきたのです。これまでも、そしてこれからも。マインクラフトの場合も同様ではないか。ドラゴンクエストビルダーズもそうですし、任天堂からもキューブクリエイター3Dとういマイクラ風ゲームがあります、LEGO Worldsとうゲームもマイクラっぽい。これはもうマインクラフトというジャンルではないかと思うのです。ですから、マイクラの影響を大きく受けた似たようなものばかりだと嘆くよりも、新しいジャンルの誕生に立ち会っていると楽しむのが良きゲーマーというものでしょう。ありとあらゆるゲームが作られている昨今、新しいジャンルが生まれるなんてそうそうある事ではないのですから。

マインクラフト