私、気になります! 漫画の変な描写

映像作品でも、漫画でもいいのですがみていて「えっ?」って思う事、結構ありませんか? ストーリーの本筋と関係のない脇の部分ですごい違和感を感じるやつ。それ描写おかしくない? 何その形? のような。具体例で言うと映画「君の名は。」で、テレビに写った彗星の軌道がありえないと話題になりましたが、アレ的な奴。悪く言ってしまうと雑な仕事をによって発生したケアレスミスです。


これ系の話が出ると決まって「フィクションなんだから嘘ついていて当然だろwwww」みたいな、脳みそ溶け出している発言を見かけます。何を言っているのだ君は。表現上の嘘と、ケアレスミスの区別がついていない。冴羽りょうがでっかいハンマーで殴られても死なないのはいいのです。だってあれはそういった表現をする上での嘘なのですから。違和感も文句もない。でも彗星の軌道は駄目でしょう。だって、宇宙クラスタの人間があのミスに気づいてしまったら、気になって気になってそれ以降のストーリーとか頭に入って来ませんもの。制作陣が「彗星 軌道」でググることを怠ったために、世界中に不幸な被害者を作りだしてしまったのです。


最近漫画を読んでいて、そんなケアレスミスに遭遇しました。その時私「あー、またかー」って思ったんですよね。完全に肌感覚ですが、映画なんかの映像作品より、関わっている人数が少ないせいか漫画の方がケアレスミスが多いように感じます。実際「そういえばあの漫画も変だった」「この漫画もおかしかった」など、他にもポロポロ思いつきましたから。そのケアレスミスの具体例をこれから一つ一つ紹介したい。つまりこれから私は重箱の隅をつつくような、些末なミスの指摘をしようと考えているのです。そこでご理解頂きたいのが、ここに上げる作品を馬鹿にする意図は 1mm もないという事です。以下に登場する5作品は、いずれ劣らぬ名作・秀作ぞろいで、私自身も大好きな作品です。その大好きな作品を、どうでもいいミスのせいで集中して楽しむ事が出来なかった、この悲しみを皆様と共有したい。分け合えば喜びは二倍に、悲しみは半分に。


フライシート

f:id:notwen:20190212001348j:plain (著:あっと、のんのんびより12巻より)

「のんのんびより」で、みんなでキャンプにきてテントを張っているシーンです。作中のセリフで「できたーん」とあります。このテントの絵に関してものすごい違和感を感じまして。お客様の中で同じ違和感をお持ちの方はいませんでしょうか? 私は


「出来てなくない? フライシート被せないと」

って思いました。一般的なテントでは、テント本体の上に雨よけのフライシートというものを被せます。それによってテント本体とフライシートの間に空気の層が出来て、夜露にも強くないますし、断熱効果も高くなるのです。この「できたーん」のコマどうみてもフライシート被せてません。フライシートの画像 ↓


f:id:notwen:20190212001900j:plain (5人用ワンタッチテント - DOD(ディーオーディー):キャンプ用品ブランドより)

左がフライシートを被せた状態、右がフライシートか被せる前の状態です。常識的に考えてフライシートをかぶせるはずなんです! でも、それは私の常識であって、もしかしたら最近のテントはフライシートが無いのが普通だったりするのだろうか? そんな疑問が湧いてしまい、続きを読むのは完全にストップです。漫画をほっぽっといて、フライシート無しがありえるのかを全力で調べました。どうやら私の認識通りフライシート有りの方が一般的らしい。例外的にワンタッチで設営出来るタイプや、軽くする必要がある登山用のテントだとフライシートが無い場合があるのだとか。このシーンは一般的なキャンプのシーンなので、フライシート有りのテントを描くのがTPOに合致しているように思います。多分。うーんでも、100%ありえないと言い切れなくてモヤモヤする。うーん、うーん。


それイングラムですよね?

f:id:notwen:20190212003122j:plain (著:中村 光、荒川アンダー ザ ブリッジ1巻より)

「荒川アンダー・ザ・ブリッジ」で神父が銃をぶっ放しているシーンです。私が銃火器に関してある程度知識があるせいか、銃火器の描写が正確性を欠いているのに気づいてしまい苦悩する事が結構ある。この例もそうですね。形とか折りたたみ式のストックとかを見るに、おそらくイングラムM10を描いていると思います。


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(Wikipedia イングラムM10より)

それでイングラムの写真と見比べて欲しいのですが、グリップの位置ちょっとおかしくありません? ずいぶん隅っこの方によっている。ハンドガンならあの位置にグリップがあってOKなんですが、サブマシンガンだとちょっと。込み入った話で恐縮なのですが、サブマシンガンには内部にボルトという前後に可動するパーツが入っています。グリップがここまで端っこだと、ボルトが後退するスペースが無くなってしまいます。どうやって動作しているのかが気になって集中出来ない。あと 2cm だけグリップを中央に寄せてくれれば問題なかったのに……。


突然のメイク消失

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(著:オダトモヒト、古見さんは、コミュ症です。10巻より)

「古見さんは、コミュ症です。」で万場木さんという、やまんばメイクが特徴のキャラクターが描かれています。そこで注目して頂きたいのですが、真ん中のコマでやまんばメイクのはずの万場木さんがなぜかすっぴん状態なのです! そして直後にやまんばメイクが復活する。なんということでしょう。まあ単純にメイクの描き忘れだとは思うのですが、これが地味にトラウマになった。実はこの万場木さん、この後やまんばメイクを捨てて、可愛らしい素顔のままで生きていく事になります。でも私、恐ろしくて恐ろしくて……。だってそうでしょう? 実際になんの説明もなしに突然、「やまんばメイク」 → 「素顔」 に切り替わる現象が観測されているのです。ならば逆パターンの、「素顔」→「やまんばメイク」にチェンジする事を誰が否定できましょう! 私は、万場木さんが登場するたびに、ビクビクしながらメイクの有無を確認するようになってしまいました。万場木さん、どうかあの頃には戻らないで。


棒高跳び

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(協力:福本伸行、原作:萩原天晴、漫画:上原求、新井和也、1日外出録ハンチョウ 4巻より)

「1日外出録ハンチョウ」で脳内で棒高跳びをするシーンです。これは結構珍しいパターンで、違和感が後からやってきた。そのまま普通に読み終えたのですが、なぜかこの棒高跳びのシーンが頭から離れない。お風呂に入っていても、ご飯を食べていても、トイレの中でもこびりついていた。一体全体なんなんだと思って「棒高跳び」で画像検索したらやっと理由がわかりました。あー、これ、向きが逆なんだ。Wikipedia にうってつけの連続写真がありました。


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(Wikipedia 棒高跳より)

実際の飛び方だとバーを越える瞬間は、下を向いているはずで、さらに頭の位置も逆でポールの側にないとおかしい。漫画の方は、棒を使わない高跳びの方の姿勢でした。なるほどー。納得してすごいスッキリした。後に引かなかったという意味では、とてもよいミステイクですね。


ちょっと高くないですか?

最後は「長門有希ちゃんの消失」から。涼宮ハルヒの憂鬱のスピンオフ作品です。舞台としては「涼宮ハルヒの消失」がベースになっているので、長門もハルヒも奇天烈な能力を持たない普通の女の子です。キャラクターと舞台だけ拝借して普通にラブコメしている感じです。長門が主人公なんですが、当然ハルヒも登場します。そのハルヒに私は衝撃を受けた。


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(著:ぷよ、長門有希ちゃんの消失 2巻より)

あれ? 私の勘違いかもしれないのですが、リボンの位置高くないですか? いやいや、これ高いよね? 普通もっと鎖骨の辺りっていうか、これだとチョーカーにリボンついているように見える。いやまて、まて、まて。もしかしたらなんか角度の問題で、このコマだけリボンが高く見えているだけとかかも! きっとそうに違いない。


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(著:ぷよ、長門有希ちゃんの消失 2巻より)

いやー、高いな、確実に高い。角度の問題ではない。高いと思う。アゴにリボンがヒットしているじゃないか。


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(著:ぷよ、長門有希ちゃんの消失 2巻より)

あーでも、このコマは比較的低いかも。これなら普通な気もする。ただ、上記のコマってアゴにヒットしているコマの直後なんです。アゴにヒットしたから下がったのだろうか。とにかくハルヒのリボンがですね、明らかに高いコマと、比較的低いコマと、その中間ぐらいのコマが混在してて……。うーん。神ならざるこの身では、もうどうしていいのかわかりません……。