Kindleに最適なストレージ容量を考える

先日、新型Kindle Oasisが発売されました。Kindleのフラッグシップモデルでお値段3万円代の高級機です。変更点として防水対応、7インチディスプレイなど色々あるのですが、私がもっとも注目したいのはストレージ容量が4GBから最大32GBになった点です。

ただこれは「ふぉーーー、きたー、イエス! イエス! 32GBイエス、Amazon愛してる」という意味での注目ではなく「いやいやいや、32GBじゃ足りませんよAmazonさん」という意味での注目です。1年ぐらい前にKindle Paperwhiteが先頭をきって32GB化されました。 当時、2秒ぐらいで注文して、迅速に私のKindle本を全部ダウンロードするという事をしたら容量オーバーしました。その事件をまとめた当ブログの記事↓

notwen.hatenablog.com

この時は、次のモデルで512GBを希望しますという結論で締めくくったのですが、悲しいかな次のモデルも32GB。ああぁ、神よ。これはよくない流れです。今回も32GBだったという事は、Amazonさんがストレージ容量は32GBで十分という、とんでもない勘違いをしている可能性がある。Kindleを心の底から愛する者として、その間違いを正すべく真実を訴えてゆく義務が私にはあると考えます。それには説得力を持たせるために、なんとなくではなく、理詰めで攻めていく必要があるでしょう。

Kindleに求められる適正なストレージ容量とは

前回の記事では、雑に切りの良い 512GB希望と書きました。大きく外してはいないという肌感覚こそあれ、これではダメです。 512GBという容量に何の根拠も無いからです。では、根拠のあるストレージ容量を算出するにはどうするのか? それを今回は次に上げる基準でいこうと思います。

「平均的な人の蔵書全てをKindleで持ち歩くならどれ位の容量が必要か?」

ここで言う「蔵書」とは、紙の本および電子書籍の事を指します。その人の持っている本全てが余裕を持ってすっぽりと収まる容量、それこそがKindleに求められている事だと私は考えます。

平均的な人の蔵書数

実はこれ地味に難しくないですか? だって Kindleユーザーには本をよく読む読まない人、年齢、性別、出身地など多種多様の人がいるでしょうから「平均的な人の蔵書数」なんて知りようがないというかなんというか。そもそも「平均的な人」ってなによ。それどこのどなたですか? わからない、私にはわからない。だからもうあれですね、いいや、私で。私の蔵書数を「平均的な人の蔵書数」にしてしまいましょう。

「それってちょっと乱暴じゃない?」というご指摘は当然あるでしょう。しかし私が平均的とするのに根拠がないというわけでもないのです。コペルニクスの原理というものをご存知でしょうか? ある物を特別であるとするよりも、平均的で平凡とする方が妥当だよねという原理です。ですからコペルニクスの原理は平凡の原理とも呼ばれています。例えば、その辺からおっさんを捕まえてくるとします。 その際に「このおっさんはさる国を追われた王子である。彼には高貴な血が流れている」と考えるよりも「どこにでも居る平凡なおっさんである」とした方が可能性高いと思いませんか? もちろんよく探せば高貴なおっさんも居るには居るでしょうが、大多数は平凡なおっさんです。そうなんです、つまりそういう事なんですよ。コペルニクスの原理を適応するならば、おっさんはすべからく普通のおっさんだし、私の蔵書数は平凡で平均的な数である確率が高いはずなのです。

計測

さて方針は決まったので、後は実行あるのみです。紙の本は、部屋にころがっている奴を全部指差し確認しながら「1,2,3…」と気合でカウント、Kindleの方は、「コンテンツの管理」画面から抽出してカウント。マンガと小説は消費する容量がかなり違うので分けて数えました。計測には大体 2 時間ぐらいかかりました。はっはー。結果は以下

マンガ
Kindle 957冊 201冊
紙の本 717冊 542冊
合計 1,674冊 743冊

大体、マンガ1冊40MB、本1冊500KB ぐらいの容量を使うのだとか

(1,674冊 x 40MB) + (743冊 x 0.5MB) = 67331.5MB = 約65.8GB

65.8GB あれば私の全蔵書を携行可能という事がわかりました。蔵書は日々増え続けているので、余裕をもたせた容量にしたいです。まあ、今の3~4倍ぐらいあれば当分大丈夫でしょう。というわけで 256GB が適正な容量であると私は主張します。次のモデルは 256GB で行きましょうAmazonさん。

その結論で本当にいいのか?

とまあ現実的な線はこのぐらいの容量でよいのではないでしょうか。 まあ、まあ、まあ 、いーんだけどね。でも私はこのありきたりな結論で満足していいものなのか?ここまで私は

「平凡なユーザーの蔵書全てをKindleで持ち歩くならどれ位の容量が必要か?」

を前提に考察を進めてまいりました。自分でやっといてなんですが、この設定したゴールがいかにもしょぼい。だってAmazonさんが本気を出したら、すぐにでもストレージ容量が 256GB の端末なんて作れますよ? ただ作っていないだけ。だからさ、小さくまとまってないで、もっと大きな夢を語りなよ! ほらほらよく見て、無駄な縛りがあるじゃないですか。「平凡なユーザーの蔵書」ねえ、この制限必要ですか? いらなくない? だったらこんなもの捨ててしまえ! というわけで

Amazonで販売している全ての書籍をKindleで持ち歩くならどれ位の容量が必要か? 」

これにしましょう。新たなゴールはここにしましょう。あらかじめ買っている本も買っていない本もKindleに詰め込んで持ち歩いておけばステキじゃないですか。買った瞬間にロックが外れてその本が読めるようになるイメージ。ダウンロード時間は0秒、だってすでに端末にダウンロード済みだから。それって最高じゃないですか。実現が難しいといった類の後ろ向きの話は聞きたくない。私は崇高な理想の話をしているのです。問われるべきは「汝、何を欲するか」、夢見るべきは「理想の電子書籍端末」です。

再び計測

Amazon詳細検索から何も絞込条件を入れないで検索すると、全体の冊数が分かりそうなのでそれを使います。マンガの数は、ジャンルで「マンガ・ラノベ・BL」を指定した件数を使いました。ただこの指定だとラノベとBLも混じった件数になりそうな気がしますが、大体の数がわかればいいので気にしない。これがおそらくAmazonが取り扱っている全書籍の数だと思う。マンガ50万冊、本600万冊ぐらい。

マンガ: 491,456冊
本: 6,114,466冊

(491,456冊 x 40MB) + (6,114,466冊 x 0.5MB) = 3,057,233MB = 約21.7TB

作ってしまえ

あれ? たったの21.7TBですか? 全然たいしたことないじゃないですか。テラなんて日常でよく使う単位だし。私とか全書籍を持ち歩くには、四次元ポケット的な未来の技術が必要になると思っていましたよ。心配して損したわ。21.7TBならば今でもいける。現在3.5インチHDDで最大容量のものが12TBらしいです。つまりそのHDDを2台積めばいい。簡単なことじゃないか。Amazonさんこれもう今まさに作っちゃいましょうよ。心配しないで、大丈夫、だーいじょうぶ、売れますって! 少なくとも私は買うので安心して。名前は、Kindle Everythingとかで。いける、いける、GO、GO!

イメージ画像作っておきました↓。こんな感じでお願いします。

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