あの本にまた出会いたい

みなさん、もう一度読んでみたいと願う一冊がありますでしょうか? 私にはありました。ずーと気になって心に引っかかっている。どこで手にとったのかも覚えていません。自分で買ったわけではなかったはず。多分、友人の家か何かで読んだんじゃないかな。剣と魔法のファンタジー世界に出てきそうな武器、鎧、アイテムなんかを、イラストとショートストーリーを交えて紹介する本でした。時はドラゴンクエスト、ファイナルファンタジーの全盛期とも言える時代です。あの時代の子供は、全員脳内がファンタジーに7割ぐらい侵食されていました。ですから、その本とかどストライク過ぎてどうしようかと思った。

素敵な本でした

イラストとか詳細に書き込まれてていいんですよねー。絵で理解出来るってとても重要だと思うのです。ファンタジーものに登場してくる武器とかアイテムって名前は知っていても、実際にどんな形をしているか知らなかったりしますから。例えば、ファイナルファンタジーとかに出てくるマン=ゴーシュってどんな形しているとか知っています? よく見かけるけど、どんな形の武器なのか知らない案件だと思う。その本は、それらをちゃんと絵で明示してくれるものですから「へーこんな形してたんだ」となるわけです。

武器、防具、アイテム を絡めた剣闘士? のショートストーリーも大好きだった。例えば、メイスの項では、全身の覆う鋼鉄のスーツ・アーマーを装備した大男をメイスで、鎧の上からタコ殴りにして、その衝撃でぶっ倒す話でした。いいぞ。ショートストーリーは一つひとつは数ページの短いものです。しかし、それらは完全に独立した話というわけではなく、共通の主人公(剣闘士)という関連性があり話の間に繋がりを感じられました。ぶつ切りで与えられる話から語られない部分を想像するのが楽しかった。

あの本をたずねて三千里

この本の印象は鮮烈で、大人になってからもう一度読んでみたいと何度も探しました。でも全然見つからなかった。だってタイトルは覚えてないし、どんな表紙だったかも忘却の彼方だし、手がかりは記憶にある本の内容だけという状態。古い本ですから、新品はもう売ってないだろうと判断して古本屋を何件も巡ったりしました。古本屋は検索が出来ないのでとにかく効率が悪い。それらしい本を一冊一冊確認するより方法がない。また「ファンタジー 武器」とかそれらしいワードでAmazonを検索してみたりもしたのですが無理。それらしいのがあってもこれが記憶にあるあの本なのか、中が読めないので自信が持てない。もう一度出会うことは無理なのかな。

ある日……

と完全に諦めていたのですが、再会は突然に。次に買う本を求めて、Amazonでレコメンドされた本を眺めていた時のことです。その本の「 この商品を買った人はこんな商品も買っています」になんか見覚えのある本が。私その瞬間「あ!」って思いました。というか結構なボリュームで「あ!」って口に出して言っていました。タイトルも表紙も完全に忘れていたのに、見た瞬間に確信しました。この本があの思い出の本に違いない。

お久しぶりです!

その本は、 富士見書房 「アイテム・コレクション―ファンタジーRPGの武器・装備」。幾星霜を経てのまさかの再会です。速攻で入手して読み返してみた。でも読んだのは子供の頃ですから、思い出補正とかあるかもなー、思い出は美しいままで仕舞っておけばよかったかなー、というような読む前の不安は完全に杞憂。普通に面白いぞ。昔の私見る目ある。あーそうだったそうっだ、こんな話あったとか思い出に浸りつつ楽しく読むことが出来ました。アイテム・コレクションは、もう一度読みたい本から、いつも傍らに置いておきたい本へ。


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アイテム・コレクションは一人で書かれたわけではなく複数人での共同執筆です。そのメンバーには結構なビッグネームがいますね。ロードス島戦記を書かれた水野良氏、SF作家として活躍中の山本弘氏などが執筆に関わっています。また、 アイテム・コレクションの主人公である剣闘士のルーファスは、本の最後で冒険で呪われた島に自分の国を作ると言い残して旅立ちます。どうもこのルーファウスは、ロードス島戦記に登場する砂漠の王国フレイム国王カシュー・アルナーグI世と同一人物だそうです。私は残念ながら、ロードス島戦記は未読なのですが、ルーファウスが本当に自分の国を持つことが出来た知れて嬉しかったです。あいつ頑張ったんだなー。今度ロードス島戦記を読んでみようかしら。

あなたはどうですか?

冒頭と同じ質問をもう一度。みなさん、もう一度読んでみたいと願う一冊がありますでしょうか? もしあるとしたら、その本の事を常に心の片隅に大切にしまっておいて欲しい。いつでも取り出せるように。再会は、いつだって突然に、そして唐突に訪れます。準備を怠らないようにしたいものです。