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紙の本は終わった(サンプル数:1)

「電子書籍の売り上げって続刊にまったく寄与しないどころかマイナス」みたいな事を出版業界の方がつぶやいて色々盛り上がったじゃないですか。私はこう見えても、電子書籍原理主義のKindle派過激組織の人間です。そこで遅ればせながら私も一言物申そうと思いました。

日本の出版業界は古い商習慣に未だに縛られてて云々、取次って仕組みが癌で云々、とか書こうかと思ったのですが辞めました。だって出版業界の事良く知らないし。知らない事書くの無理。何度か出版の仕組みを学ぼうとしましたが、結局よくわからず「なんか定価で売るために色々やってるんだな」という感想が出ただけだった。

日本の電子書籍の現状はどうなっているのか?

代案として、現在の日本における電子書籍の現状を調査する事にしました。やはり人を説得するには数字を示すのが効果的だと思うのです。数字は客観的で時に冷徹ですらあります。電子書籍がイケイケで、紙の書籍が凋落している確たる証拠を突きつければ、旧態依然とした出版業界の人は我が身を恥じて泣き出すに違いありません。さあこの私が泣かしてやろうじゃありませんか。

調査方法に関して

調査として日本の全国民(1億2千万人)を対象に一人ひとり電子書籍の現状を聞いて回る予定でした。が、諸々の事情により少々規模を縮小し、調査対象は私一人だけに変更させて頂きました。サンプル数は「1」です。規模縮小により調査結果が普遍性があるかについては若干微妙ですが、正確性には自信があります。アンケート調査なんか半分ぐらいの人は適当に答えているに違いないのです。その点今回は対象が私だけですので正確性はMAX。この世界のごく一部分しか反映していませんが、完全に真実。

というわけで調査官たる私が、調査対象者である私に対しての設問を考えました。

「過去の購入した本の、紙と電子書籍の数と比率を教えて下さい」

今回はこれで調査を行いました。我ながらなかなか良い設問なのではないかと自画自賛しております。これならば、どの程度の速度で電子書籍への移行が進んでいるかが可視化出来るに違いありません。私は、少なくとも2010年頃には本の購入をAmazonに完全移行しているはずなので、それから7年間を対象期間とし、Amazonの購入履歴から紙と電子書籍の購入冊数のカウントを行いました。Amazon Kindleの日本での発売は2012年11月19日、私の手元に届いたのは2012年12月8日です。その前後での紙と電子書籍の比率の変化にご注目ください。以下が調査結果です。

調査結果

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なんという事でしょう。まことに衝撃的な結果となりました。Kindle発売から電子書籍の比率が急上昇しています。私は日本でKindleが展開される前に海外版のKindleを買ったり、日本向けのKindleが到着した時に踊りだした経歴を持つ人間です( 参考リンク:Kindleが届いたよ!)。日本での電子書籍の夜明けが嬉しすぎて買いまくった様子が見て取れます。

その後も紙の比率は減り続け、2015年にはわずか5.33%となっています。Kindle発売前の2011年は、紙の比率が100%でしたが、わずか4年後には5.33%ですよ。私の中での産業革命とも比肩しうる電子書籍革命とでも言うべき現象が起きたのです。今では、Kindle以前に紙で揃えていたシリーズ物、古い作品で電子書籍版が無い、紙であることに意味があるもの(画集など)以外は電子書籍で購入しています。

紙比率の激変以外で注目すべき点は、購入冊数の激増でしょう。革命後は革命前と比べて大体3倍ぐらい本を買うようになりました。増えているとは思っていましたがここまで激増しているとは予想していなかった。

これに関しては、収納キャパシティが影響していると思われます。私の部屋に4個ある本棚はすでに満員。本が増えるたびに収納ボックスを買ってきて押入れに本を移している状況です。ですから、シリーズものの購入は特に慎重でした。だってちょっと連載が続いたマンガとか普通に全30巻とかになるわけです。それ買ったとしてどこに置きます? その最も大きかった物理的な置き場所という制約が電子書籍によって外され、私は自由に舞えるようになったのです。購入リストを眺めていても、蒼天航路(全36巻)、月下の棋士(全32巻)を同じ月に買い、次の月にはローマ人の物語(全15巻)を買いと、自由に舞いすぎのきらいすらあります。

まとめ

さて調査結果をまとめさせて頂きます。紙の本は、2010年:87冊、2016年:12冊となったため売上は87%ダウン。常識的に考えて、売上が87%ダウンしたらその業界はお終いでしょう。書店は大小を問わず一つ残らず街から姿を消し、懐古主義者が「昔は本と言えば紙が主流でのー」と言っている始末。その一方で、電子書籍を含めた本の販売は3倍に激増したため出版社はこの世の春を謳歌している。これが調査結果から導き出された2017年における日本の姿です。

でもそれって私の知っている2017年と違うような? 書店は大型店ばかりになってしまいましたが未だ健在。出版社はとうてい儲かっているようには見えません。不思議です、どうしてこんな差異が生まれてしまったのか。調査は厳正に行われました。また調査手法にも欠陥は見当たりません。調査が間違っていないとすると、間違っているのはこの世界の方という事になります。書店ですがアレはきっと本が全く売れないので、裏で不動産投資やデイトレードで稼いでいるに違いないです。出版社は「本が売れない、本が売れない」と口を揃えていますが、その実一万円札を燃やして足元を照らしていたりするのでしょう。おお、神よ、世界は嘘で溢れております。

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