パンツァー・フォー

なんかそろそろ劇場公開が終わっちゃいそうなので今更ですが、ガールズ&パンツァーの劇場版を観てきたので感想を書かせてください。

いやー、あれですね、粗は目立つ作品ですよね。ガルパンは元々設定がアレでしたが、劇場版はさらにぶっ飛んでアレでした。砲弾当たったら死ぬんじゃないかととは常々思っておりましたが、今回はなんか大洗の街が無くなりそうな勢いで破壊していたり、砲撃で少々地形が変わったりしておりました。ただ、その辺のガルパン特有の設定に突っ込みを入れるのは無粋というものでしょう。誰がウルトラマンが登場と同時にスペシウム光線を打たない事に文句を言いますか? これはね様式美と言うのです。こういうものなのです。

他は、ちょっと色々詰め込み過ぎの感があるかな、ごちゃごちゃしてる。それと敵側の描写が少なくて、私とか最後まで敵の大隊長のキャラクターが掴めませんでした。ただそれは、鑑賞後の興奮から随分たってから落ち着いて考えてみたら出てきたもの。もうそんな粗とかどうでもいいや。とにかく気持ちいい! 戦車がグギャーッと走って、打たれてボンッと弾けて吹っ飛んで、スコーンッと砲弾が装甲をぶち抜くんです。特に音響が最高でした。砲弾がすぐ横を通り抜けてゆく飛翔音、砲弾が装甲に着弾して金属と金属のぶつかり合う音、砲弾の集中攻撃を受けている車内などは、その振動までこっちに伝わってきそうでした。この音響はなかなか家庭で再現するのはきついものがありますから映画館に行ってよかった。

二時間の上映時間のほとんどを戦車戦をしていたのではないかと思うのですが。まったく退屈しませんでした。キャタピラのきしみ、砲塔の回頭、戦車の疾走感、とにかく動きのキビキビとしていて一つ一つが気持ちいい。カメラアングルもよく工夫されていて気持ちいい。テンポもこれ以上ないぐらいで気持ちいい。少々の粗などぶっ飛んでしまう一級のアクション映画です。アクション映画と言えばハリウッドですが、それらに勝るとも劣らないアクション映画を日本が持つことが出来たのが誇らしい。

戦車道