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ソーシャル読書

森見登美彦さんの「ペンギン・ハイウェイ」を読みました。森見登美彦さんと言えば、アニメ化もされた四畳半神話大系や、夜は短し歩けよ乙女といった作品が代表作でしょうか。森見さんは物語の舞台を京都に置くことで有名ですが、ペンギン・ハイウェイだけは例外で郊外の町が舞台となっています。私のイメージとして、森見さんってたいへんフラットな文章を書くというのがある。物語の山でも谷でも、キャラクターが寝てても走っていても同じリズムで淡々と文章が流れていく。舞台が京都ではないという森見ワールドの中では異色の作品ですが、そのつるぺた文体はそのままで安心しました。やっぱりいい、これよね。

うっかりペンギン・ハイウェイの感想を書いてしまいましたがそうじゃないのです。私はペンギン・ハイウェイとあまり関係ない事を書きたくて、今キーボードをパチパチしているのです。もっと言えば森見さんもほぼ関係ない。ペンギン・ハイウェイを読んでいたら面白い事があったのでそれを共有したいのです。ペンギン・ハイウェイを読んでいたらこんな風に書かれていました。

19人がハイライト
「怒りそうになったら、おっぱいのことを考えるといいよ。そうすると心がたいへん平和になるんだ」

文章に点線が引かれ、その脇にハイライトした人数が記載されていた。私が読んだのは、"文庫版"のペンギン・ハイウェイではなく、"Kindle版"のペンギン・ハイウェイです。Kindleには文章をピーッと選択してハイライトする機能が付いています。蛍光ペンで線を引くようなものを想像してください。これは、どうも個々のユーザーがハイライトした情報を集計して表示しているっぽい。これはいいアイデアですね。読書って自分の中にこもってやるものなので、ニコニコ風にコメントが流れるとかはフィットしないと思うのですが、こういった控えめな感動の共有なら受け入れられる気がする。中古の文庫本を買ったら前の持ち主の書き込みがったようなソフトな共有。

小説の電子化によって読書そのものが変化するのは疑いようもありません。楽しみですね。どうなるんだろ。マルチエンディング小説とかどうでしょう。選択肢が途中で出てきて結末が変化するとか。まあ要はゲームブックなんですがゲームブックはページの移動が面倒なので。出版の単位は絶対変わる。ショートショートをばら売りするかもしれないし、上下巻まとめて売ったり。大体、上下巻分割とか文庫という単位で出版する上での制約なので電子書籍にはまったく関係ないのです。Amazonさんは、誰にどの本を売ったかにとどまらず、ちゃんと読み切ったのか、どのぐらいの時間をかけて読んだのか、何度繰り返し読んだのかといった事も知ろうと思えばわかるはず。読破率、リピート率なんかを公表してくれたら面白い本に遭遇出来る確率が上がるかも。小説が今のように文庫本なり単行本という紙媒体で出版されるようになってどれくらい経つだろう。100年ぐらいかな? そろそろ飽きてきたので、ガシガシ変えていきましょう。