はやぶさが残したこと

http://www.jaxa.jp/press/2010/11/20101116_hayabusa_j.html

オンライン、オフラインを含めそこここで語られているので今更私が語ることはないとは思うのですが、念のため触れておこうかな。宇宙科学研究所の探査機はやぶさが持ち帰った微粒子が小惑星イトカワ由来であると判明しました。はやぶさの残した記録に「月以外の天体の固体表面からのサンプルリターン」が追加されたというけです。もしサンプルリターンに失敗していたとしても伝説的なミッションだったのに、サンプルリターンに成功した事ではやぶさ伝説はより輝きを増しました。考え得る最高のエピローグ。はやぶさを実際に作り上げた方々、運行面ではやぶさを支え気合いで行って帰ってこさせた方々、それらにとどまらず、はやぶさのネジ一本を作った人でもいい、関係者を支えた家族でもいい、地球から3億kmかなたのはやぶさの無事を祈っていた人でもかまいません、すべてのなんらかの形ではやぶさに関わった人の気持ちが報われた事をうれしく思います。

さて、はやぶさの残したもっとも大きな功績は、小惑星からもサンプルリターンでも、たび重なるトラブルを克服したサバイバビリティでもなく、世間の目を宇宙に向けさせた事だと思います。新聞やニュースでの扱いも大きいし、はやぶさのカプセルの展示は押すな押すなの大盛況だったと聞きます。いいですね、この人気からはやぶさ2の話も出ています。これで宇宙開発の予算も出やすくなるってものです。...いやいやいや、そんな「現実的な事は言うな」って目をしないでください、とても大切な事です。日本でも世界でもそうですが、宇宙開発はまだまだひよっこの分野。日本では、H-IIAロケットを三菱重工に移管しましたが、衛星の受注は韓国からの一件のみ。しかもまだ打ち上げてないし。一人で立てるようになるまでは国が支えてやらないといけないのですよ。そういった面でもはやぶさの残した功績は大。