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くやしくなんてない

いつのまにか、広瀬 正さんの名作「マイナス・ゼロ」が文庫本で出てた。文庫本が出るまでは、マイナス・ゼロは絶版になっていて、入手困難な幻の作品、とまでは言いませんが、入手が面倒な作品でした。お値段も少々高かったしね。私の場合、ヤフオクで1800円で購入しました。シミや汚れがあったので相場よりは安く買いました。ああ、でも文庫が出ると知っていたら買わなかったのに。くやしい。そして憎い、全てが憎い。なんで私が損をしているのに、なんでみんな幸せそうなの?どうして?みんなみんないなくなっちゃえ!(出典:どくさいスイッチ)

でもまあ、私にとっては訃報でしかないですが、まだ読んでいない人には吉報ですね。埋もれさせておくにはもったいないレベルのクオリティーでしたから。内容は、タイムマシン物です。それも、所謂タイムマシンがそのままずばり登場する、直球ど真ん中ストレートのタイムマシン物です。使い古されたタイムマシンという素材を使って、緻密に、精密に、巧妙に構成されています。タイムマシン物に必須のタイムパラドクスも綺麗に織り込まれています。最後に伏線を全て華麗に回収していくさまは、美しいと言っていいレベル。ただ、キャラクターの書き込みはそれほど深くは無いので、キャラクターに萌えたい人にはお勧め出来ません。それより、そのギミックに目をむいて、その機能美に鼻息が荒くなる人にお勧め。ネタがわかってから、二度目をにやにやしながら読むのが楽しいタイプの小説。私の中では、タイムマシン物としては、ドラえもんとタメを張るレベルの作品です。

マイナス・ゼロ