病めるときも、健やかなるときもAmazonプライムを愛する事を誓いますか?

Amazonプライムがここ最近急にもてはやされています。やれ送料無料だ、やれプライム・ビデオだ、やれこのサービスを契約しないのは正気とは思えない、などなど。Amazonプライムわっしょいは空前の勢いです。ただ、そのわっしょいしている人たちの主張が私はどれも軽く感じるのです。スッカスカです。そんなわっしょいじゃAmazonプライムの魅力が正しく伝わらないじゃないか。まったくしょうがない、ここはAmazonマイスター(自称)であるこの私が本物のAmazonプライムわっしょいをお見せしますよ。

賢者は歴史に学ぶ

よくよく分析してみたのですが、他の人のわっしょいが軽く感じるのは、歴史について語られていないからではないかという結論になりました。どれもAmazonプライムが突如として天から降って湧いた素晴らしいサービスのような書かれ方をしている点に問題がある。Amazonプライムは、最近出てきたサービスではありません。サービス開始は2007年6月、実に10年の歴史を誇ります。私がAmazonプライムに契約したのは、サービス開始の1年後2008年6月16日。それ以降ずっと契約し続けていますから9年の付き合いになります。

ほぼ全期間Amazonプライム会員であり続けた私が、Amazonプライムがどういた経緯を経て現在の姿に至ったのかを、つまびらかに紐解いていくとしましょう。その過程で実はAmazonプライムが順調に成長し続けたわけではない事が浮き彫りになるはずです。長く厳しい冬の時代がありました。私はその冬の時代の経験者です。

プライムの特典年表

以下にプライムの主だったサービスがいつ開始されたかをまとめました。

2007年6月 Amazonプライムサービス開始(お急ぎ便無料、送料無料)
2013年8月21日 Kindleオーナーライブラリー。月一冊無料
2015年7月29日 プライム会員限定先行タイムセール
2015年9月15日 Amazonパントリー
2015年9月24日 プライム・ビデオ
2015年11月18日 Prime Music
2015年11月19日 Prime Now
2016年1月21日 プライム・フォト


こうして年表にまとめてみると一見順調にサービスを拡充しているように見えます。問題点として読み取れるのは、2007年6月のサービス開始から次の新しい特典リリースまで6年間あるところぐらい。この間はサービスが少し停滞したのかな? とは見て取れます。冬の時代がどこにあったのか見えてきません。

それはこの年表に外的要因が考慮されていないという欠陥があるからです。外的要因とはAmazonの送料ポリシーの事です。全ユーザーの送料無料としていた時期は、プライム会員特典である送料無料は価値がゼロとなります。契約しなくたって元から無料なのですから。送料ポリシーによってプライム会員の価値は上下せざるを得ないのです。先程の年表にAmazonの送料ポリシーに関しての出来事を追記しました。

年表以前の状況 送料有料。1,500円以上は送料無料
2007年6月 Amazonプライムサービス開始(お急ぎ便無料、送料無料)
2010年11月1日 全会員の送料無料化
2013年8月21日 Kindleオーナーライブラリー。月一冊無料
2015年7月29日 プライム会員限定先行タイムセール
2015年9月15日 Amazonパントリー
2015年9月24日 プライム・ビデオ
2015年11月18日 Prime Music
2015年11月19日 Prime Now
2016年1月21日 プライム・フォト
2016年4月6日 送料有料化(書籍は除く)。2,000円以上は無料


これによって冬の時代が見えてきました。冬の時代の開始時期は、 2010年11月1日全会員の送料無料化からです。これにより看板特典であった送料無料の意味がなくなり、プライム会員の特典はお急ぎ便使い放題のみという状況になりました。冬の時代が終わった日に関しては諸説あるのですが、私は2015年9月24日「プライム・ビデオ」提供開始までと考えています。 プライム・ビデオは大変に価値の高いサービスですので、これによって冬の時代の終わりとするのは妥当なところでしょう。つまり冬の時代は、 2010年11月1日から 2015年9月24日までの4年10ヶ月と23日間です。我々は、5年近くも凍える寒さに耐え続けたのです。

どのぐらい寒かったのか

「冬の時代本当につらかったんですよ。もーやばくて。何度退会しようと思った事か」

なーんて思い出を語ってもいいですが、もっと具体的にどの程度お寒い時代だったのかを可視化したい。というわけでPLっぽいものを作成します。PLとは 損益計算書の事で、企業がどのぐらい売上があって、原価がいくら、販管費がいくら、だから利益が何円といった事を表にまとめたものです。株式会社の場合、決算の時などに必ずPLが公開されます。投資家は投資するに値するかの判断材料の一つとしてPLを活用するわけです。Amazonプライムの会費を原価に、それによって得られる特典の価値を売上と置き換える事にしましょう。

各特典の価値換算

PLを書くにあたって、各特典の価値が何円なのかを特定する必要があります。これはまあ、Amazonさんに聞いても教えてくれないでしょうから自分でそれらしい値を決める他ない。価値設定の基準は、もしその特典が個別のサービスだったとして、月何円までなら払ってもいいか? という主観以外の何者でもない基準でいきました。算定根拠は脚注を参照してください。

送料無料*1 500円
お急ぎ便無料*2 200円
Kindleオーナーライブラリー*3 100円
プライム会員限定先行タイムセール*4 10円
Amazonパントリー*5 10円
プライム・ビデオ*6 600円
Prime Music*7 200円
Prime Now*8 50円
プライム・フォト*9 50円


Amazonフレッシュ(追加で500円/月)、Audible(無料体験期間3カ月 1500円/月)といった追加で月会費を要求してくる系は、うーんと思ったので対象から除外した。「Amazonフレッシュと契約出来る権利をやろう」って言われても。うーん。

PL作成

これらの価格を元にPLを作成します。普通PLは4半期とかそういった単位でまとめるのですが、今回はわかりやすさ優先で月毎でまとめました。ですので売上原価として、年会費3,900円 ÷ 12ヶ月 で325円 をセットしてあります。以下のPLは、特徴的な時期である、Amazonプライム開始時、どん底の時期、現在の3つをピックアップしました。

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一つずつ確認していきましょう。左端のサービス開始時(2007年6月)について。投入したコストが325円で、得られた価値が700円、利益が375円です。つまり、契約する事で毎月375円得をする黒字状態というわけです。健全な状態ですね。この頃もAmazonプライムは魅力的なサービスでした。特に送料無料の存在感が大きかった。私は今も昔も本の購入がメインです。昔は本も1,500円以上注文しないと送料が有料でした。だから買いたい本が3冊溜まって1,500円を超えるのを待ってから注文するという、今考えるとアホな事をしておりました。プライム会員になって本一冊からでも注文可能になった時の嬉しさは今でも忘れられません。

真ん中の2010年10月のデータは、最も厳しい時代のデータです。全員が送料無料となり、特典がお急ぎ便オンリーの頃です。この頃は、125円の赤字。契約を続ければ続けるほど損をする状態です。これが同じ赤字でも

「お急ぎ便 、プライム・ビデオ、Prime Musicが使えて1,500円」

とかだったら許せた。1,500円は 高いですが、それだけ受けられる特典の価値も高いからです。それにひきかえこの時期のAmazonプライムといったら特典もしょぼいのに損までしていて、もーって感じのサービスでした。もー。

この時期はあまりにどん底すぎで、5年後にAmazonプライムが華麗な復活をとげるなど想像だにできませんでした。 ウォーレン・バフェットにだって予測出来なかったに違いない。将来に希望の持てないサービスを私が契約し続けた理由はシンプルです。サービスの名前に「Amazon」とついていたから。そう私は愛ゆえに契約を続けました。愛とは見返りを期待せずに与え続けること。

右側の2017年7月のデータ、これが現在のAmazonプライムです。契約する事での毎月の利益は1,385円。売上は最悪期に比べなんと8.6倍の成長。特典はもうあふれんばかりです。動画を観てよし、音楽聞いてよし、送料無料でお値段は据え置きの325円。送料の再有料化もありAmazonプライムの価値は史上最高の水準にあります。契約しない理由を探す方が難しい状況といえます。これにはウォーレン・バフェットもびっくり。

利益のグラフ化

このようにして計算した利益をグラフ化し推移を確認していきましょう。グラフの範囲は、Amazonプライムがサービスを行っている全期間です。

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やはりプライム・ビデオ導入時期の伸びは圧倒的ですね。そして見逃してはいけないのが、全サービス期間の半分近くにおよぶ冬の時代の長さです。私はこれを見て冬の時代の事は決して忘れず、語り継がねばならないと確信いたしました。冬の寒さに耐えきれず、散っていった(退会した)仲間は数知れません。現在のAmazonプライムの繁栄は、死屍累々たる屍の上に成り立っているのです。その英霊に思いを馳せる事は残された者の義務でしょう。毎日とは言いません、時々でいいのです。Amazonプライムが一度死んだ送料無料化の2010年11月1日が祈りを捧げる日として適当でないかと考えます。私は、個人的に毎年11月1日に、亡き仲間の事を思って一分間の黙祷を捧げています。この日が「Amazonプライム鎮魂の日」として公式に認められ、鎮魂のためにセールでもしてくれたらいいのですが。

皆様に申し上げる

最後に皆様にメッセージをお送りして本稿を締める事にいたします。

プライムの契約を検討されている皆様へ
説明してまいりました通り、Amazonプライムは10年の歴史の中で、現在がもっとも充実したサービスを誇っております。今がまさにAmazonプライムの黄金時代であります。契約する事に何を恐れる事がありましょう!

冬に時代を乗り越えて、なおプライム会員であり続ける皆様へ
今でこそ冬の時代の記憶は生々しくありますが、時がゆけば辛い思い出も笑い飛ばせるようになることでしょう。いつの日か酒の肴に冬の時代を一緒に語り合いたいものです。

過去・現在・未来、すべてのプライム会員の皆様へ
Amazonは、良きにつけ悪しきにつけ変化することを躊躇いたしません。ですから突然送料無料を復活させてプライム会員の価値を毀損させたり、Amazonプライムビデオを別料金にするといった事をしてくるかもしれません。彼らが必要と判断したならば必ずやるでしょう。たとえ、それによって第二のプライム冬の時代が到来してもAmazonを責めてはなりません。Amazonは、Amazonであろうとしただけなのですから。

私は第二のプライム冬の時代なぞ恐れてはいない。なぜなら私はすでに多くの仲間を得ているからです。皆様となら第二の冬の時代が来たとしても乗り越えられると確信しております。冬の時代なにするものぞ。来たければ来たらいいさ。

さあさあ、一旦明日への不安はそれとして、今この瞬間を、今この春の時代を共に祝おうではありませんか。踊れ、歌え。わっしょい! わっしょい! Amazonプライム! わっしょい! わっしょい! Amazonプライム!

*1:現在は2,000円以下の場合、送料350円(書籍を除く)。昔は1,500円以下で送料300円。月2回で元が取れるような額に設定

*2:お急ぎ便:360円、 当日お急ぎ便:514円。1回分で元が取れる額に。

*3:オーナー ライブラリーに登録されている電子書籍を月一冊無料で読めるサービス。ラインナップに魅力を感じられない。でもまあ100円ならギリギリ出さない事もない。

*4:通常より30分早くタイムセールに参加出来るようになる。心の底からどうでもいい。

*5:食品・日用品を必要な分だけダンボールに詰めて届けてくれるサービス。プライム会員限定で利用可能。一箱辺り290円かかる。いまいち使う気が起きないサービス。

*6:映画、アニメ、テレビ番組の見放題サービス。競合サービス月会費、Hulu:933円、Netfix: 650円~1450円。競合サービスに比べればラインナップは劣るかと思ったので600円に。

*7:100万曲以上が聴き放題のサービス。競合サービス月会費、Apple Music 980円。ラインナップは競合より劣る。200円。

*8:お買い物を1時間以内にお届け。ただしエリア、商品も絞られており専用アプリも必要など活用の条件が厳しい。50円。

*9:容量無制限のフォトストレージ。使ってないのでなんとも言えないが無制限なのはエライ。50円で。

読書感想文を書きませんか?

世の中の学生諸君はそろそろ夏休みに入るようなタイミングですね。その季節柄もあってか「読書感想文に使える本10選」的なブログの記事を見かけました。それが中々どうして、私と趣味が合いそうな良いラインナップだったのです。その中の一冊をさっそくポチっておきました。そういった記事は別に読書感想文を書かないアダルトな皆様におかれましてもたいへん有益なものでしょう。ですから日本中の読書好きが 「読書感想文に使える本10選」的な記事を今まさに書くべきだと私は確信しました。みなさん早く記事を上げてください。かくいう私もそれなりに本は読む方なので、先陣を切って書くとしましょう。

学生諸君におすすめの本は……

まずは、アーネスト・ヘミングウェイの「武器よさらば」とかどうでしょうか? 生々しい第一次世界大戦の描写、恋愛、そして悲劇、文学に求められる要素が全部入りの作品です。アルベール・カミュの「異邦人」もいいですね。主人公ムルソーの殺人をあなたはどう解釈したのか? それを原稿用紙に叩きつけましょう。後は安部公房の「砂の女」……うーん、アレ?、駄目かも、今すすめた3作品一旦忘れてもらっていいですか? ノーカウントっ、ノーカウントっ。

申し訳ありません。ついつい、かっこいい奴の方が良かろうと背伸びした作品をすすめてしまいました。読書感想文を書くって事は、要は普段読書をしないような人が大多数なわけじゃないですか。そこで海外の純文学とかすすめてどうするのですかあなた。内容も難解だし翻訳特有の読みづらさもあります。まったくもって全然駄目。「砂の女」は日本の作品ですが、砂の描写が強烈で終始口の中がジャリジャリした感じだった事しか記憶にない。ストーリーは記憶にない。とにかくジャリジャリ。

そうではなくてもっとこう平易な文章で、共感がしやすく、すっと頭に入ってくるような作品が読書感想文にはいいのでしょうね。

旅のラゴス

旅のラゴス (新潮文庫)

旅のラゴス (新潮文庫)

  • 作者: 筒井康隆
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1994/03/01
  • メディア: 文庫

これはマジでいいです。筒井康隆さんの作品です。筒井康隆さんって斜に構えたブラックジョークの効いたものばかりのイメージがあります。ですがこの旅のラゴスはともて素直でまっすぐ。本当に筒井康隆さんが書いたのか怪しいレベルです。

旅のラゴスは、知識を求めて旅を続けるラゴスの一生をテーマとした作品。若者の頃から始まって、おじいちゃんになるまでのラゴスの一生を抜群の疾走感で描き切ります。世界観は、かつての高度な文明が失われ、人々がテレポートなどの超能力に目覚めたという設定です。これには少年達は大興奮でしょう。長編といってもページ数は少ない方ですので一気に読めてしまうと思いますよ。

夜のピクニック

夜のピクニック (新潮文庫)

夜のピクニック (新潮文庫)

  • 作者: 恩田陸
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2006/09/07
  • メディア: 文庫

全校生徒が夜を徹して80kmを歩く北高の伝統行事「歩行祭」を描いた作品です。夜クラスメイトと野外を歩く非日常、クラスメイトとの確執、現れる謎の少年。雰囲気良し、ドラマ良しという作品です。意外と変な行事のある学校もあったりするでしょうから、自分のところの行事と対比させてみるのもいいかもしれません。またクラスメイトとの深夜のおしゃべりが実にそれっぽいのがいいです。読書感想文を書く皆さんは、登場人物達と年齢が近いでしょうから、より共感出来るはず。

読書感想文とは何かを立ち止まって考える

次にすすめる本が、ぱっと思いつかなかったので、読書感想文コンクールでどういった作品が入賞しているのか調べてみました。

青少年読書感想文全国コンクール過去の入賞者

あれ? 意外とみんな自由な感じの本選んでます? 何かしらの物語じゃないと駄目だと勝手に思っていたのですが、スティーブ・ジョブズの本とかも入賞してました。

入賞作品を眺めているうちに読書感想文ってもっと自由でいいんじゃないかと思えてきました。だって考えてもみてください「読書感想文」ってつまり書を読んで感想文を書けばいいわけでしょ? 「書」で辞書を引いてみた所「書き記した物」だそうです。文字が書き記してあればそれは紛れもない「書」なのです。そこにはこれっぱかしの制約も無いはず。なのに勝手に純文学の方がかっこいいんじゃないか、こういった本の方が読書感想文に適しているのではないかと、知らず知らずの間に自分で自分を縛っていたのです。読書感想文は、あの空を飛ぶ鳥のように自由であるべきだ。

銀河英雄伝説 7巻 怒涛篇

銀河英雄伝説〈7〉怒涛篇 (創元SF文庫)

銀河英雄伝説〈7〉怒涛篇 (創元SF文庫)

  • 作者: 田中芳樹,星野之宣
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2008/02/01
  • メディア: 文庫

複数巻の作品を読書感想文の対象にしてはいけないってルールありましたー? そんなの決まってなくなくなーい? さらに言えば複数巻のうちの特定の巻だけの感想文を書くのだって許されるはず。私が教師だったら許す。だって第7巻だろうがなんだろうが「書」である事に何の疑いもないのですから。

というわけで銀河英雄伝説(全10巻)の第7巻 怒涛篇です。第10次イゼルローン攻防戦が描かれる巻です。イゼルローン要塞をヤン・ウェンリーが再び分捕る奴です。稀代の戦術家、戦略家、詐欺師であるヤン・ウェンリーのエッセンスが凝縮されたともいえる巻で大好き。私が7巻の感想を書き出したら一生書いていられる気がする。

プラネテス

プラネテス(1) (モーニングコミックス)

プラネテス(1) (モーニングコミックス)

  • 作者: 幸村誠
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2012/09/28
  • メディア: Kindle版

いっそのことマンガでもいいよね。広義ではマンガだって「書」であるはずです。そもそも小説、マンガ、映画といった媒体の違いで表現出来る事に違いなんぞないのです。小説、マンガ、映画、そのいずれでも人は感動する事が出来ます。また人に涙を流させる事だって出来るのです。世界中で肌の色の違う人々がいるのと同じように、ただ表現方法が違うということだけ。本質は同じならばマンガだって問題ないでしょう。私が教師だったら許す。それどころか涙を流しながら抱きつきます。「この子はなんという自由な発想を持っているのだろう」

プラネテスは、スペースデブリの回収業者を舞台とした近未来SFものです。そのテーマはずばり「愛」。愛とはいったいなんなのか。古今のありとあらゆる作品が挑戦したテーマです。読書感想文の相手にとって不足なしです。

ツイート

私達は日本人です。日本人なんです。ですから世界最短の定型詩である俳句を知っています。俳句は故郷の情景を詠むことができます。俳句は叶わぬ恋の切なさを詠むことが出来ます。5・7・5の17音でありとあらゆる事を表現出来るのです。それに比べればツイッターの140文字とか余裕過ぎて、なんだろうが表現出来るに違いない。俳句もツイートも書き記した物、つまり「書」であります。ならばツイートの読書感想文を書く事に何の問題がありましょう! 私が教師だったら許す。むしろそんな子が教え子に居たら教師を辞職します。「こんな聡明な子にものを教えるなんて愚鈍な私には出来そうもない」

以前、私がいいねを連打したこのツイートとかどうでしょうか?


あ、あー、もうダメだ、自分を抑えられそうにありません。私の中の秘めたる14歳がお前も読書感想文を書けと囁いているっ。あの頃の自分に立ち返って、私も読書感想文を書きたいのです。

丹武浦中学校 2年B組 New Ton「このツイートを読んで」

私はこのツイートを初めて見た時、とてもすてきなツイートだと思いました。すてきなツイートを見つけた時は、リツイートかいいねをするのが普通です。でも私はそのどちらも出来ませんでした。ツイートを見た瞬間、あたかも雷に打たれたように固まってしまったからです。気を取り直すまでに10秒はかかったでしょうか。もしかしたらもっと長かったかもしれません。やっと動けるようになった私はいいねをしようとしました。ですがやっぱり出来ませんでした。今度は涙で視界が曇ってしまい、いいねボタンの場所がわからなくなってしまったらからです。涙は次から次へと流れてきます。

どうして私は泣いているのだろう。悲しい? それとも嬉しい? そのどちらでもあるし、どちらでもないと思いました。このツイートを見て私は自分が怒られているように感じました。また励まされているようにも感じました。同時に優しく包み込まれているようにも感じました。色々な感情を全部お鍋に投げ込んで、グチャグチャに混ぜて煮込んだような気持ちだったのです。色々な感情は混ざってしまて、どれがどれだかわかりません。その感情のスープは、私には刺激が強すぎて泣いてしまったのでしょう。

このツイートで希望を渡されるのはおじさんですが、私はこれを自分に置き換えていたように思います。小学生頃の私。ともちゃんとケンカをしてしまった私。私の両手は、ともちゃんにひどい事を言ってしまった後悔でいっぱいでした。もしあの時、女の子に出会っていても希望を受け取ることは出来なかったでしょう。今の私。陸上部の私。私の両手は、タイムが伸びない悩みでいっぱいです。女の子に出会っても、八つ当たりしてしまうんじゃないかな。大人になった私。お母さんになった私。おばあちゃんになった私。未来の私は両手に何をたくさん持っていますか? もし女の子に出会ったのなら、持っているものは地面に置いて女の子から希望を受け取って欲しい。その希望であなたが救われたなら、今度は落ち込んでいる大切な人に希望を分けてあげてください。そんな優しくてすてきな人に私はなりたいです。

ハースストーン、シャドウバースにおける日米の価値観・美意識の差異に関する考察

最近、ハースストーンというオンラインカードゲームを良くやっています。ほぼ、同じコンセプトのゲームでシャドウバースというゲームが存在します。ハースストーンはアメリカの会社が作ったゲームで、シャドウバースは日本の会社の作ったゲームです。この両者、ゲームのシステムがほぼ同じというレベルで似ています。ハースストーンの方が2年早くリリースされているのでシャドウバースの方が、ハースストーンを参考にしたのは間違いないでしょう。私はハースストーン派の人間なので「シャドウバースさんは、もうちょっと別な感じのシステムにする努力をしてくださいよ」とか思わないではないのです。ですが、まあまあまあまあ、ゲームはパクリパクられ発展してきた側面もありますし、パクリはゲーム業界の文化という事で別にいいんじゃないでしょうか。

それよりも注目したいのは、日米での価値観・美意識の違いです。この両者はシステムも似ていますが、背景の世界観も似ている。どちらもドラゴンが出て来るような剣と魔法の世界です。ですから、日米のデザイナーが同じ枠組みの中でよーいドンッで、カードをデザインしたらどんな違いが出て来るのかを比べられるのです。これが何もかもが違うレベルだった。

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調査してみました

もう見るからに違うので、不要かなとすら思ったのですが、まあ曲がりなりにも客観的な数字があった方が読み手の皆様により伝わるというものでしょう。いくつかの項目でハースストーンとシャドウバースのカードを分類してみました。対象はキャラクターのカードです。ハースストーンでは「ミニオン」シャドウバースでは「フォロワー」と呼ばれているカードです。場に出して戦ってもらうために戦士やモンスターなんかが描かれています。他にもスペル、武器(ハースストーン)、アミュレット(シャドウバース)というようなカードの種類もあるのですが今回は対象外とさせて頂きました。調査対象は、7/10現在で実装済みの全キャラクターカード、ハースストーン 812枚、シャドウバース 595枚です。

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調査1: 人なのか否か

カードには、様々な絵柄がかかれています。人間、獣、ドラゴン、モンスター、神様に至るまで。まず手始めに、カードに人間が描かれているのか、それ以外なのかで分類しました。ちなみにこれ以降の調査全てに言える事ですが、結構雑にカウントしております。だって微妙なケースが多かったのだもの。「これ人間と言えば人間だけど? うーん。」みたいなケースが大量にありました。一応の方針として、オーガなどこれは人間というよりモンスターよりだろって奴は「人外」に、エルフなど耳は尖っているけどほぼ人間ですよねって奴は「人間」にカテゴライズしてあります。本当に微妙なケースに関しては私の独断とフィーリングで決めましたのでご了承ください。

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さて、結果ですがハースストーンとシャドウバースでほぼ真逆の結果となりました。ハースストーンは、人間:30% 人外:70%なのに対して、シャドウバースは、 人間:70.9% 人外:29.1%です。つまり、ハースストーンは主としてクリーチャー同士がドッタンバッタン戦って、シャドウバースは、人間同士がキャッキャウフフするという戦場になるわけです。まーなんとなくわかります。アメコミって主人公がモンスター的だったりよくしますからね、ハルクとかX-メンとか。一方で日本のマンガで世界を救うのは、たいてい人間、しかも少年少女と相場が決まっています。

調査2: 男女比率

次は人間のカードに関しての男女比率を調査いたしました。こちらに関しましては、調査に辺り予断を持ってあたった事を告白させてください。こういった調査は、結果がどうなるかに関して事前に予想をもっているような事は避けるべきなのです。調査に余計なバイアスがかかってしまい、正確な数値が出なくなる恐れがあるからです。

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でもこれは仕方がないのです、だってシャドウバースが「どこのシャドウバース女子高等学校だよ」って感じなのですもの。思った通りシャドウバースは女子だらけでした。ただ、女子率は67%で意外と男いたんだという印象。絶対、女子率90%ぐらいだと決めつけていたんですけどねー。ハースストーンは、女子率40%で結構バランスが良かった。こっちは逆にもっとおっさんだらけのイメージだったのに。

調査3: お嬢ちゃんいくつだい?

さっき予断がなんとかとか書きましたがこっちもですね。明らかにハースストーンは、おっさんだらけで、シャドウバースはティーンエイジャーだらけなのですもの。私の肌感を確認するために、男に関しては「おっさんかどうか?」女子に関しては「ティーンエイジャー」かどうかという軸で調査を実施しました。

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こちらのデータは、おっさん率でございます。ハースストーンは、おっさん率80%で驚きの茶色さ。シャドウバースは若者ばかりですね。この数字を見ると、さすがアメリカ、使用する前提の軍隊を持っている国は違うなーという感がします。ナチスのヒトラーユーゲントにせよ、日本の学徒出陣にせよ、若者が戦場に立たなければならない時点で色々な意味で戦争はもう終わっているのです。未来ある若者が戦場で散っていいはずはない。それでは次代の担い手がいなくなってしまうではないですか。「戦線は我々が支える。戦場こそ男の死に場所よ。乳臭いガキはすっこんでな!」

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ティーンエイジャー比率に関しましては、シャドウバースは予想通り若い女子ばかりでした。「これ幼女では?」みたいのまで結構いましたよ。さすが日本やってくれる。一方でアメリカですよ。まさかの3枚、全812枚中ティーンらしき女子はたったの3枚だけでした。しかも「薄目で1メートルぐらい離して眺めれば、ティーンに見えない事も無い」というカードが3枚ですよ。戦場に女子供は連れて行かないという姿勢が徹底している。

調査4: 目を光らせていけ

これだけはどうしてもカウントしてみたかったのです。ハースストーンの女性陣は、なぜか目が光っている事で有名なのです。「このカードの女性、目が光ってなければキレイなのに」なんて声はよく聞きます。

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ほらほらほら、光っている率40%ってちょっと異常じゃないですか? 普通街を歩いていても、目が光っている淑女はあまり見かけないじゃないですか。もしかしたら何かの呪いなのかもしれません。それとも、アメリカでは美の条件として目が光っている事が必須だったりするのでしょうか?

たた、人間って恐ろしいものでハースストーンの調査を終えた辺りでは、目が光っているのに慣れてしまい「そら光るでしょ」ぐらいに毒されていました。だからシャドウバースで目を皿のようにして調べて も、一枚も目が光っているカードを見つからないのが信じられなかった。なんで光らないん?

調査結果まとめ

ハースストーンは、最初に人外のクリーチャーで押しつぶし、続いて突入したおっさんが戦線を支え、女性は内助の功として光る目で足元を照らすという結果となりました。アメリカの戦術思想が透けて見えて興味深い。アメリカという国は、人的な被害を嫌う国です。決まって戦端を開く際に巡航ミサイルでこんがり焼いてから人間を投入します。戦いの流れが似ている気がする。ただ、光る目が現実世界の何と対応しているかは不明ですが……。

シャドウバースは、うら若き乙女を大量投入する事で、一種の女子高状態に持っていき「戦いってなんだったっけ?」とうやむやにする戦術と思われます。さすが世界でも稀な平和憲法を持っている国です、考えている事が違う。「萌えは世界を救う」なんてパワーワードがあります。私も世界中の人々が声優の演技や、作画崩壊について語り合っていれば世界平和が達成出来るんじゃないかと思う事はあります。世界中がそうだったらどんなにいいだろう。

というわけで、現実主義のアメリカ人、ロマンティストの日本人という事がわかりました。日本の理想は尊くて美しいと思いますが、ただ夢や理想だけでは食ってはいけないのです。その点で、現実を見つめておっさんを大量投入しているハースストーンが私は好きかな。シャドウバースはもっとおっさんを大量投入するべきです。次の拡張パックはおっさん限定パックを提案します。

番外編: ツインテール

ついでです。調査中に日米のツインテールの違いがものすごく気になったので。アメリカはツインテールってものを何か勘違いしているのかな? どうしてガチムチにしてしまったのだろう。

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LoL はエアプでにわかの私が支える

最近、League of Legends(以下、LoL)の大会配信をよく観戦するようになりました。この LoL というゲームを軽く説明したいのですがこれが難しい。「こんなジャンルのゲームです」って事すら難しい。LoL は、マルチプレイヤーオンラインバトルアリーナ(Multiplayer online battle arena)略称でMOBAと呼ばれるジャンルのゲームです。ゲーマー以外は MOBA と言っても通じないと思う。

では、同じジャンルで有名なゲームを挙げて説明するのはどうでしょうか。「KOFとはストリートファイターIIのようなゲームです」みたいな。でもこれも無理。日本で誰もが知っているような MOBA の有名ゲームが存在しないから。というか日本で一番有名な MOBA が LoL なので「LoL とは、あの有名な LoL のようなゲームです」と自分で自分を説明するはめになる。

League of Legendsとは

仕方がないので、私がどんな事をするゲームなのか説明させてください。まずプレーヤーは、一人のチャンピオンと呼ばれる2cmぐらいのちっこいキャラクターを操作します。チャンピオン毎に攻撃力が高いけど脆いとか、相手をスタンさせる能力があるとか、移動速度が速いというようなさまざまな特徴が設定されています。ゲームはチーム戦で、5対5で行います。つまりネットごしに10人の人間がゲームに参加します。ゲームフィールドの端にはネクサスという名前のクリスタルが 自陣側と敵陣側にそれぞれ1個ずつ配置されています。これは将棋の王将みたいなもので、自陣のネクサスを破壊されると負け。というわけで5人で協力して敵陣のネクサスを叩き割るために頑張ります。大体一試合には30分~50分ぐらいかかります。


f:id:notwen:20170702204013p:plain LCK Summer: BBQ vs. EEW | SKT vs. MVPより)

世界中に大人気のプロスポーツ

LoLには、LJLという名前で日本にプロリーグが存在します。シーズン中は毎週末に試合をやるので、それを楽しく観戦しております。後、韓国のリーグであるLCKもちょいちょい観ます。LoL はとにかく韓国勢が最強なので、LCKが世界最高峰のリーグです。野球でいうMLBみたいなもの。他にも北米、ヨーロッパ、中国、台湾、トルコ、ベトナム、ブラジル、メキシコ、オーストラリア、ロシアでプロリーグが存在します。世界大会もたくさん開かれています。大体、Twitchとかで配信してくれているので無料でOK。とにかく LoL は世界中で大人気なので観戦する試合には事欠かないです。

にわかである事を誇りとせよ

LoLの試合はよくみるのですが、実は私 LoL をプレイした経験がまったくありません。1秒もプレイした事がない。基本無料なのでやろうと思えばやれるのですがやってない。私オンラインゲームのチーム戦とかしても、チームそっちのけで自分のプレイに集中するタイプのダメな子なんです。チームで協調しないとどうにもならない LoL はどうにも向いてない気がしてどうも。後、1試合のプレイ時間が30分~50分と長いのも二の足を踏む要因です。

というわけで私はとんだにわか勢だし、 エアープレイ勢なわけです。にわかがLoLの試合を観戦している……なんと素晴らしい! 私のやっている行為は、LoL という e-Sports に対して大変プラスになっていると言えます。だって他のプロスポーツを見てご覧なさい。野球、サッカー、アメリカンフットボール、F-1、それらを観戦している人々がそのスポーツを自分でがっつりやっていると思います? やっているはずがない。私とかアメフト大好きですが、まったくやったことないし。野球なんて三角ベースしかやったことない。つまり、あらゆるプロスポーツは、無数のにわかが支えているのです。大量のにわかがテレビで観戦したり、試合のチケットを買ってくれるから選手の給料が出るのです。にわかが大量発生してこそ一人前のプロスポーツと言って良いでしょう。全国の LoL にわか勢の皆様におかれましては、自分がプロスポーツとしての LoL の発展に貢献している事を誇りとして頂きたい。

オフサイドトラップを私は出来ません

ただ、その LoL ですがスポーツとしての歴史が浅いこともあってか、にわかの絶対数が少ないのです。Twitchなどで「ブロンズは黙れ」というようなコメントを良く見かけます。ブロンズとは、LoL 内のランクの事です。上手くなる程、ブロンズ→シルバー→ゴールド … とランクが上がっていく仕組みになっています。ブロンズは一番下のランクで、全プレーヤーの30%程がブロンズランクです。つまり先程のコメントは「下位30%の下手くそは発言しないで頂けますか?」という意味です。

こういった空気は良くないですねー。ブロンズですらない私とかどうしたらいいのかって話になります。黙るだけでは足りないでしょうから、服でも脱いでお詫びする他ない。そもそも、こういった発言が出るという時点でにわかが少ない事の証左と言えるでしょう。だってサッカーとかで「オフサイドトラップ出来ない奴は黙れ」とは言われないじゃないですか。だってみんなオフサイドトラップ出来ないから。LoL も観戦している人がブロンズ以下の下手くそだらけの状況に持っていく必要があると思います。

目指せブロンズ以下だらけ

今のところ「ブロンズは黙れ」状態なので、LJLとかの実況・解説でもプレイしている人が観ている前提になっています。この前なんか「Ceros選手のキューの精度が素晴らしいですね!」みたいな事を言っていたのですが、私とか ???? って感じですよ。「なんかボール的なものが出てたから、球の精度? いや他のチャンプでもキューって言ってたような?」分からなかったので調べたところ、どうも「キュー」とは、LoLでキーボードの「Qキー」を押した時に出る技の事を指しているらしい。知るか! Qキー押したら何が出るかなんて知りませーん。やった事無いって言ってるでしょ。技にはちゃんと名前が付いているようなので「Ceros選手のダークスフィアの精度が素晴らしいですね!」にして頂きたい。

LoL はよく分かっていない人が観ても楽しいです。なんかワチャワチャしているのをみているだけで楽しい。LoLは、大きく成長して他の数多のプロスポーツと同じくにわかだらけになる可能性を感じます。だから運営側でもにわかが観ている前提の実況・解説をしてもらえると嬉しいなと思いました。

電子書籍は変わらないといけないと思うのです

私、現状における電子書籍の環境には、ぼちぼち満足しています。未だに紙の本より、電子書籍版の発売が遅いというアホな事はしてくれたりはします。でもまあ電子書籍版を出してはくれるのでギリギリ許せます。最近発売される本で電子書籍版が用意されない事は、ほぼ無くなったように思います。「電子書籍版が無い?!ファックッ!」とシャウトしながら壁を殴る機会もめっきり少なくなりました。

読書体験

電子書籍が出る事には満足しています。しかし、電子書籍における読書体験に関してはどうでしょう? 私はもっと出来ることがあるんじゃないかと感じています。だって絵や文字を表示する媒体が紙からディスプレイにゴリッと変更されたんですよ? それって何もかもが違うレベルじゃないですか。だったら読書体験だってグワッと別物になってしかるべきなのです。今の電子書籍って言ってしまえば、紙の本をそのまま電子化しただけですよ。本文の検索が出来るとか微妙に電子化の恩恵はありますが、根本的な所ではなにも変わっていません。私には紙だっと頃の呪縛にとらわれているようにみえる。

例えば 、マンガを買う時って1巻、2巻と巻単位で購入するじゃないですか。これってなんでこんな事しているんだろうかと思いませんか? 私は1話、2話と話ごとにバラ売りしてくれればいいのにといつも思います。だって「巻」って200ページ前後の単行本として売るための単位じゃないですか。「巻」は紙の本として売るために都合がよかっただけなのに、なんで電子化された書籍でも同じ「巻」をつかいますか。もういい加減に紙の時代の事は忘れるんだ。

バージョンを変えていけ

あーしたらいいんじゃ、こーしたらいいんじゃという思いは色々あるのですが、今日はコンテンツのバージョンアップについての提案を書こうと思います。一度配信した小説やらマンガやらを後からどんどん変更すればいいのにというお話。

これ紙の本の場合ほぼ無理ゲーなんです。例えば誤字が見つかったとして、売ってしまった本を全部回収して、修正液で修正してまわるとか無理。お金かかって無理。売った人の連絡先とかわからないし無理。だから重版がかかる時に一緒に誤字も修正して、それ以後は誤字が直った本を売るという仕組みをとっていたのだと思います。もう売っちゃった人は知らんというスタンス。でも電子書籍は違うでしょう。修正したコンテンを再配布するなんて簡単なはずです。実際、Kindleでも予約していた本が自動で端末に配布されたりします。あんな感じで旧バージョンの本を新しいバージョンの本と差し替えればいい。というわけで、私は本のバージョニングを提案致します。

セマンティック バージョニング

前述のように第1版、 第2版と版を重ねる毎に内容を修正していたわけで、版が紙の本におけるバージョンの役割を担っていました。ただ私が求めるのは、もっと動的で、もっと攻撃的なバージョニングです。古の時代から使っているような「版」とかいうカビの生えた単位ではとてもとても対応出来ません。これじゃない。「版」じゃなくてもっといい奴があるじゃないですか、ソフトウェアのバージョニング、あれをそのまま拝借しましょう。「1.6.35」こんな感じのアレです。実はこのソフトウェアのバージョンの表記方法って国際規格みたいなものは存在しません。ですが、なんとなく暗黙のルールがあったり、セマンティック バージョニングという名前でルールを提唱している人が居たりします。 セマンティック バージョニングはとても良く考えられていてステキなので、この子を使いましょう。 セマンティック バージョニングをスーパーざっくりまとめると以下のようになります。

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メジャーバージョン: 互換性を失うような大きな修正
マイナーバージョン: 互換性を維持した機能追加
パッチバージョン: 互換性を維持したバグ修正

これを本に当てはめると

メジャーバージョン: 物語の筋を大きく変更する
マイナーバージョン: 物語の筋に影響のない加筆修正、章の追加など
パッチバージョン: 物語の筋に影響のない誤字などの修正

こんな感じでしょうか。具体例があった方がイメージしやすいかなと思いますので、ある架空の本のバージョン履歴を作ってみました。

もみあげとヒゲのあいだ( 著者:Newton ) 更新履歴
1.0.1:いくつか誤字を修正しました。
1.1.0:エピローグを追加しました。戦いを終えた彼らのその後は? お楽しみください。
2.0.0:マーティンを前半の早い段階で殺したのが不評だったため、死なないように物語を修正しました。
3.0.0:「マーティンがなぜ生きているんだ? 殺せ!」といった内容の苛烈なご批判を多数頂きました。編集部に脅迫電話もかかって来たとのことです。進むも地獄、退くも地獄な状況となりましたため、マーティンを最初から登場しないように変更しました。

ぱくっていけ

バージョンさえ導入してしまえばしめたものです。次は、すでにバージョンが当たり前のゲームやソフトウェア界隈のやり方を参考に新しい展開を模索すればいいのです。例えば、大規模なソフトウェアを開発する際は、ソースコードを公開して複数人で開発するのが当たり前です。というわけでオープンソース小説とかどうでしょうか。「ここの主人公の心情を考えるともっと何も出来ないぐらいに落ち込んだ方がいいと思う」「いやいや、主人公そんなに弱くないから。主人公をもっと信頼してあげて!」こんな感じでコミュニティで議論しながら、お話をみんなで作るわけ。楽しそう。

ゲームにはMODという文化があります。ゲームをユーザーが改造する奴です。例えば海外のRPGのキャラクターってバタ臭いのだらけなので、MODで美人&イケメンだらけに改造したりとかが出来ます。というわけで小説MOD。芥川龍之介の羅生門だったら、物語を改変して老婆を抱きしめて改心させるMODとか出るに違いありません。

Steamなどのゲーム配信プラットフォームでは、完成前のゲームを先に販売してしまいその集めた資金で作品を完成させるというアーリーアクセスという仕組みがあります。これ別にゲームじゃなくてもよくなーい?。アーリーアクセス小説もいけるいける。ちなみにゲームの方のアーリーアクセスは、資金を集めたものの何年待っても完成しない困ったちゃんが大量に存在します。小説でもアーリーアクセスを導入したら同じことが確実に発生するでしょうね。ままままままままま、世の中そんなものですよ。気長に待ちましょう。