2014年買ってよかったもの10選

まとめ記事を書きたいです。まとめ記事を書くと決めました。今からまとめ記事を書きます。「ブログのアクセス数を倍にする10個の方法」「必読! 泣けるマンガ10選」みたいな感じのまとめ記事が書きたいのです。「N個の方法」とか「N選」とか「たった一つの冴えたやり方」などをタイトルで掲げる記事に私は強い憧れを抱いています。私は、みんなが右を向けば右に向かって全力で走りだすぐらい周りを気にする人間です。みんなと同じことがしたい。みんながやっているN個系の記事を書きたい。しかし私程度の人間にN個系の記事を書く資格があるのだろうか。そんな後ろめたさから今までは書けなかったのです。でも今日は書くと決めました。勇気一つを友にして、自分の殻を打ち破ると決めました。

さて書くことは決定として、どういったN個の記事を書くべきか。現在の日付は、2014年12月31日、疑いようもなく年の瀬であります。ですので「2014年買ってよかったもの10選」にすることにしましょう。この時期に大量に書かれるテーマの記事で、みんなと同じ事がしたい私にはぴったりなチョイスと言えると思います。いくつか勉強のために買ってよかった記事を読んでまいりました。なるほど、なるほど理解した。おしゃれ小物、すてきな家電、かっこいいモバイルギアなんかをリストアップして、自分の生活レベルの高さを民衆に誇示し、読み手を思うさまへこませてやればいいわけですね! 私そういうの得意です。諸君、私と君たちとでは住む世界が違うのだよ!

1. 四月は君の嘘 1巻
なんか、最近四月は君の嘘の話題ばかりを出しているような気がして恐縮です。それだけ私への影響が大きかったとご理解ください。ピアノを弾けなくなった少年「有馬公生」とヴァイオリニストの女の子「宮園かをり」とのボーイ・ミーツ・ガールマンガ。こちらはその第1巻。1巻はなんと言っても、宮園かをりとの出会いのシーンですよね。しかし出会いのシーンは、ヴァイオリンではなくあえての鍵盤ハーモニカを演奏しているシーンから入ります。演奏している曲はハトと少年、天空の城ラピュタでパズーがトランペットで吹いていたあの曲です。バイオリンの音色と曲はあまり馴染みがありませんが、鍵盤ハーモニカとハトと少年ならば魂に刻まれている。マンガであってもあの鍵盤ハーモニカのペカペカした音で、あのメロディーが頭の中で流れる。いやがおうでも郷愁を感じずにはいられない。

2. 四月は君の嘘 2巻
第2巻です。あ、いきなりなんですけど3巻の話をしてもいいですか? 私3巻の話をしたい気分なんです。3巻すごい好きなシーンと言うかコマがあるんです。幼なじみの椿というキャラクターがいます。公生への無自覚な恋心、これまた無自覚なかをりへの嫉妬。自分の中のもやもやをどうにも処理出来なくなり、椿はソフトボールの試合で無謀な走塁をしてアウトになります。そこでひざまずく椿のスパイクの裏を大写しにするコマがあるのです。私はこれが好き。茫然自失の表情ではなくスパイク。表情なんかより、悔しさ、どうして、何やってるんだろう私、などなど椿の感情が表情なんかよりずっと伝わってきます。

スパイク

3. 四月は君の嘘 3巻
ここまでべた褒めに近かったですが、やっぱり気に入らない点もあります。どだいすべての人を満足させる完璧な作品なんてこの世にはないのです。ディティールを省略したギャグマンガの様な描写がよく出てきます。これ自体は悪くはないのですが、この表現を多用し過ぎな気がする。「なんでこの人奇面組みたいな顔しているの……」と冷静になってしまう。過ぎたるは及ばざるがごとし。

4. 四月は君の嘘 4巻
あ、ちなみに、四月は君の嘘の連載開始は2011年ですが、私が単行本を2014年に大人買いしたので、2014年買ってよかったもので何の問題もないのです。

5. 四月は君の嘘 5巻
4巻の次の巻です。

6. 四月は君の嘘 6巻
そう、そう、私、四月は君の嘘のせいで芋づる式に病気をテーマとして扱った作品を読んでしまって胸がはりさけそうなのですが。四月は君の嘘の作中に三田誠広氏の「いちご同盟」という小説の引用が出てきます。本の名前は知っていたのです。しかし恥ずかしながら読んだ事がなかったので、これを機に読んでみた。そうしたらまー悲しい。みなさん私悲しいです。ヒロインが不治の病で入院していて、主人公がピアノを弾く。四月は君の嘘の構図とオーバーラップします。きっといちご 同盟の影響を四月は君の嘘は大きく受けているのでしょうね。病気の進行によって、だんだんと生きることを諦めてしまうヒロイン。ああ。

7. 四月は君の嘘 7巻
続けてうっかり読んでしまったのは、橋本紡氏の「半分の月がのぼる空」こちらもヒロインが不治の病で入院している系です。元は小説で、マンガ、アニメ、テレビドラマとメディアミックスで展開された作品です。小説も何度かリメイクされたりしているようで、私は文春文庫版の全4巻を読みました。きっかけは、なにかライトノベルでも読もうと色々探し回っているときに、「入院」という単語が私のセンサーに引っかかったから。完全に四月は君の嘘が悪い。まだ衰弱の描写とかいちご同盟より生々しくないので、その点は大丈夫。半分の月がのぼる空はむしろ幸せそうなシーンの方がきつい。本当に楽しげなシーンがあるのです。しかしヒロインは病気ですから、これもいつかは終わりが来るのだなと思うと涙がこぼれそうになる。どうしてなの。

8. 四月は君の嘘 8巻
とどめが、柳本光晴氏の「女の子が死ぬ話」というマンガ。私の引き裂かれた心を癒やせるものは何かないものかと探しに探しました。柳本光晴氏はハルヒかわいいという同人誌を書かれている方です。ハルヒかわいいは、涼宮ハルヒの憂鬱を題材に甘く切ないラブコメディに仕立てた秀作。私もTumblrで見かけてこの作品は凄いと一目置いていました。柳本光晴氏なら傷ついた私をほっこりさせてくれるに違いありません。「女の子が死ぬ話」というタイトルで本当に死ぬわけないし。
でまあ女の子が死ぬ話でした。えーー? なんで、また、うぇえ、うぇ。そんな。やめてよ。本当に死んでるし。女の子が死ぬなんて私聞いてないよ。騙された。しかもマンガなので衰弱している所を、かなりしっかり絵で描写しているものだからきつい。正視できない。なんてもの描くんだ。悲しみに慣れている人にしかおすすめ出来ない。

9. 四月は君の嘘 9巻
ここまで上げた作品はすべてKindleで読みました。この記事を書くにあたって、それぞれざっと読み返しているのですが、こういった読み方は、やはりまだまだ紙の方が得意な印象ですね。あのシーンどんなだっけとパラッパラッとめくるのが紙はとても得意。ただ、最近のKindleにはシークバー機能が付いたのでこのパラッパラッに結構近い事が出来るようになった。もうちょっとページの書き換えが早くなれば、もっとスムースにパラッパラッと出来るに違いない。

10. 四月は君の嘘 10巻
それにしても、私のKindle早く壊れないかな。これだけハードに使っているのに壊れないとか正直迷惑です。
ご存知でしょうか、Kindle Voyageという端末がリリースされたことを。なんでも解像度が758×1,024から1,072×1,448に上がったとか。マンガの細かい書き込みとかもくっきりはっきり見えるらしい。欲しい。でも、E-inkのKindle端末のフラッグシップというポジションなので少々お高い。一番安い奴でも21,480円。今持っている奴が壊れてもいないのに買い換えるには躊躇してしまう額です。だから壊れろ。ルパン的な何かが盗んでいくのでも可。

貞本エヴァと共と歳を重ねてきました

貞本義行氏のマンガ版のエヴァンゲリオンがこの度完結致し、最後の単行本も無事発売されました。1994年12月26日から連載開始で、完結したのが2013年6月4日とのことですので、実に18年。18年間という長期の連載にも関わらず、全14巻というのもある意味驚異的な数字です。ちょっと調べてみたのですが、同じ期間でこち亀は、95巻も刊行されていました。まあ、貞本エヴァは、月刊誌への連載なのでそもそも不利なのですが、それにしても長い年月が流れました。

私は、アニメ版より先にマンガ版から入ったので、感慨もひとしお。それもあってか、私はマンガ版の方が好きです。アニメ版はどうもドロドロしすぎているというか、生々しいというかあまり好きになれません。ヤシマ作戦の後のレイのほほえみが好きです。アニメ版の少しぎこちなかった。マンガ版だけにしかない、ネルフの中庭でレイが「もう一度触れても良い?」と尋ね手を握るシーンが好きです。
エヴァは数年置きに思い出したように刊行されました。私はその度にまた一巻から読み直しました。エヴァと共にゆるゆると歳を重ねたのです。だから私は、マンガのエヴァが完結したと聞いて、びっくりしたわけです。

「え? マンガのエヴァって完結とかするものなの?」

やっと終わったー! といった感想はまったく出てこず、完結するという事実にびっくりした。あまりに長い間連載していたものだから、終わりが来ず永遠に続くものだと錯覚していました。そうドラえもんであるとかサザエさんのように。まさか終わりがあって、あまつさえ終わらせる気があったとは。

もう、二年まっても三年まっても次の巻が出ないわけですね。なんだか寂しくなってきたので、持っている単行本をためつすがめつしていました。1巻の絵とか今と全然違いますね。赤木リツコ博士の眉毛とかすごい太い。顔も全体的に幼い。18年も経ったのでみんな老けたのかな。1巻から14巻を並べていたら面白い事を発見。本のヤケ方がいい具合にグラデーションになっていました。私の場合、1巻から3巻までは、発売から1年後ぐらいに購入したものなのですが、4巻以降は発売されたらすぐさま買っていたので、すべて初版本です。つまり、発行に合わせて我が家に居る時間がそれぞれ違い、18年という時間がヤケとして年輪のように刻まれたのです。最近買った巻も同じようにヤケていくと思うので、時と共にグラデーションもなくなっていくでしょう。よし、全巻同じ色になるまで大切に持っていよう。

エヴァグラデーション

私のIMEがお高くとまっている

最近私のIMEが何と言いますがお高くとまっているのです。やたらと高尚な単語を使いたがる。そんな風に育てた覚えはないのですが。例えば、この前とか……、まあ今日その話はいいや。うん。私は四月は君の嘘の話がしたいのです。

秋からアニメの始まった四月は君の嘘が素晴らしいのです。白眉の出来。ピアノを弾くことをやめてしまった少年とヴァイオリニストの少女のお話です。いわゆるひとつのボーイミーツガール。甘酸っぱい。やっぱり私はボーイミーツガールが好きだ。そこに物語が生まれるから。そこに思ひでが残るから。だから全世界の少年と少女はすべからく出会うべきだと思う。

アニメ一話の作画、カメラワーク、特にピアニカの演奏シーンが素晴らしかったので、勢い原作のマンガを全巻購入しました。過客は、432円(Kindle版)かけることの10冊で4,320円であります。安いわ! 安すぎる! 私とか10回は読み返しているので驚きのコストパフォーマンスを誇るマンガです。四月は君の嘘のどこが好きかと言うとですね、そーですね。いやねそんなにドッキリビックリな天界があるというわけでもなくて、まあ普通なんだけど、そこが逆にいいとも言えるわけで、えー、うん、知らぬ! どこが好きかなど私は知らぬ。というか、何かを好きになるのに理由とかって必要でしたっけ? 好きって理屈じゃなくてエモーショナルなものだと思うけど? 仕方がないでしょ、好きなものは好きなんだから。

ですがあえて、あえて印象に残ったシーンを上げるとすれば、マンガ版三巻のあのシーン。主人公が母の呪縛から逃れられず自分の演奏とは何かを思い悩んでいるところにヒロインがチャーリー・ブラウンの言葉を引用します。

気が滅入ってる時はほおづえをつくといい。腕は役に立つのが嬉しいんだ。

ちょっと調べたのですが原文は"When you're depressed. It always helps to lean your head on your arm... Arms like to feel useful."のようですね。いやー美しい訳ですね。盟約だと思います。で、どういう意味の言葉なの? と聞かれるとちょっと答えに窮します。どんな意味なんでしょうね? おそらく落ち込んでいる時は何かに頼りなさいとかそんな意味でしょうか。ただ、四月は君の嘘でヒロインがこの言葉に込めた思いはこんな風じゃないだろうか。

ピアノの練習を続けてきた自分の両手を信じなさい。自分を信じて真摯に演奏すればそれがあなた音楽になるのだから。

アニメは、原罪七話まで放送済みで2クールの予定。一話の勢いもそのままに今のところ高クオリティーを維持しています。やっぱりアニメ版は演奏シーンがいいですね。マンガは演奏の良さを聴いている人の感想や思いなんかを通して間接的にしか表現出来ないのに対して、アニメは直接音として表現出来るのが強い。このまま行けば、アニメ版はマンガ版を超える作品になるのではという予感があります。頑張って欲しい。

私なら3発は撃つ

コンマ5秒だけ私の方が早かった。奴が懐から拳銃を抜くコンマ5秒だけ早く、私の体重を乗せた渾身のショルダータックルがクリーンヒットした。シュルシュルと音を立てて、黒い物体が視界のすみを滑ってゆく。奴のオートマチックだ。タックルした拍子で懐から飛び出したらしい。たっぷり2メートルは吹っ飛んだあいつは、後頭部を塀にしたたか打ち付けたらしい。まだ後頭部を押さえてうんうん呻いている。これはチャンスだ、私は飛びついき馬乗りになりやたらめったらと殴りつける。一発、二発、三発……。ゴスッ、ゴスッ、ゴスッという私の拳骨と奴の頬骨の衝突する音が頭蓋骨の中で反響する。何発目だっただろうか、奴の鼻血でぬめった拳が滑り地面を思いっきり殴りつけてしまった。これだけの興奮状態だ痛みは感じない。しかし地面を殴った事で、20cmばかり奴との距離が近くなった。瞬間、丸いものが私の視界を塞ぐ。

ガンッ!

え? 何をされた? ず、頭突き? グワンッと世界が回る。どっちが上でどっちが下だ?ああ、どうやら私が見上げてるのが上らしい。夜空が見えた。仰向けでぶっ倒れている私のそばに立つ人影も見えた。ボコボコの顔がこちらを向いている。腫れて半分しか開かない目がしっかりを私を見据えている。右手にはさっきすっ飛んでいったはずのオートマチックが握られている。銃口の先をたどるとちょうど私の眉間の辺りにたどり着きそうだ。奴の切れて血の出ている唇の端がニヤリと上がる。

「これで終わりだ」

だぁあああぁあ、もう! もう! 撃て! 早く撃ちなさい! スキを見せるな。お別れの言葉とかいいから。さっさと勝利を確定させなさい。私はこんな銃を突きつけながらなぜか撃たないという演出が大っ嫌いです。まったくもって意味が分からない。私だったら頭突きでぶっ飛ばした後に間髪入れずにぶっ放していますよ。確実を期するために3発は撃つ。というか元々殺す気ならば、距離を詰められる前に3発は撃つ。こういったシーンは大抵銃を突きつけてうだうだ喋っている間に仲間が助けに来ちゃうわけですよ。ほら言わんこっちゃない。早いとこ撃っとけばよかったのに。

フィクションで、ありていに言えば嘘のお話なんだからいいじゃんという考え方もあるかもしれません。でも私はフィクションは、上手に嘘をつくべきという思いがあります。見ているこちらが納得出来る嘘をついて欲しい。これはもう作り手側の義務と言ってもいい。例えば、銃を突きつける側が警察官で撃つのを躊躇するのならば納得できる。警察官は、犯人を射殺することではなく逮捕することが仕事ですから。もしくは、撃つ人が人を殺す事に怖気づいてしまっているというのでもいい。その場合はきっと引き金にかけた人差し指が震えていたり、呼吸が荒くなっていたりするんでしょうね。そんな撃たない理由の説明を放棄して、なぜか撃たないというのは承服できない。勝つチャンスがありながらも、作り手の職務怠慢で散っていったあまたの悪役たちの事を思うと私は涙を禁じえません。そんな不幸をもう二度と起こさないためにも、こんな言葉で締めくくりたいと思います。

獲物を前に舌なめずり……三流のすることだな。(相良宗介)

「ブッ殺す」と心の中で思ったならッ! その時スデに行動は終わっているんだッ! (プロシュート)

アンタレス(ロケットの方)爆発

あ、あほー、オービタル・サイエンシスのハゲッ!!NK-33の名前に傷が付く。えーと、えーと、あほ!

オービタル・サイエンシスのアンタレスロケットが爆発炎上しました。ここまでの派手な打ち上げ失敗は、去年のプロトンの失敗以来でしょうか。アンタレスは、ロケットそのものより一段目のエンジンの方が有名なロケットです。ソヴィエト連邦の月へ行くつもりだったN-1ロケット用に開発されたNK-33というエンジンを回収したAJ26というエンジンを搭載しています。酸素リッチの二段燃焼サイクルというアメリカですら作れない(というかソビエトしか開発に成功していない)複雑で超高性能なエンジン。40年間も倉庫に転がしておいたエンジンがなぜか現代でも最高レベルの性能。1970年代のエンジンでこの性能は完全にオーバーテクノロジー。という半分以上ロマンで出来ているエンジンです。

なんでやろー。40年間も置いといたから賞味期限でも切れちゃったのかな。それともピーキー過ぎて現代の我々では扱いきれないのだろうか。まあ、確かに高性能、高性能という話が先行していますが、実績はまだまだこれからのエンジンです。やだな、大好きなロケットエンジンなので、NK-33が悪いって話にならないで欲しい。液体酸素とケロシンのパイプを逆に繋いじゃいましたとか馬鹿みたいな理由を希望します。


艦これとはなんぞや

Tumblrで去年の夏ぐらいから死ぬほど見かけるようになり、話題に取り残される恐怖から始めた艦これを、なんだかんだと一年以上継続してプレイしています。舞鶴鎮守府所属です。私の場合、周りに艦これをプレイしている人が皆無な状態です。そのためか人から請われるにせよ、私から語りだすにせよ、艦これをはなんぞやをいうことを説明する機会が多いのです。どんなゲームであるのかを説明するのは結構簡単。「第二次世界大戦中の軍艦を擬人化した艦娘が出てくるの。そんで集めた艦娘で艦隊を組んで敵艦隊と戦って、勝つと新しい艦娘が貰えるわけ」こんな風に説明しておけばよろしい。でも私はひと通り説明した後に飛んできがちな、次の質問にうまく答えられた事がありません。


「へー、ところでどの辺が面白いの?」


えーと、あの艦娘のコレクション要素がね、その、運営の課金体系が良心的でさ、声優さんが、あと大破絵とか、あばばっばb。艦これは何が面白いのか。実に哲学的な問いかけです。これほど答えることが難しい質問もそうそうない。なにせこれだけ継続的にプレイしている私にも分からないのだから。だから今日はちょっと真面目に考えてみました。艦これの何がそこまで人を惹きつけるのかを。



まあ、単純に考えてみんなやってるから面白いってのは絶対あるでしょうね。みんなと一緒にゲームするから楽しいって奴。私のように回りに同好の士が居ない場合でも、ネットを覗けば自分と同じ難関マップで苦戦している人、同じ艦娘が出なくてあえいでいる人がじゃぶじゃぶ見つかります。あーわかるわかる。共感出来て面白い。たた共感できるのはよいことなのですが、艦これの魅力は共感だけのはずがない。だって、共感だけでいいなら火がついてみんながプレイさえしていれば、どんなくそゲーでも構わないってことじゃないですか。そんなの悲しすぎる。一人のゲーマーとして、ヒットしたゲームはすべからくゲームそれ自体が面白いものであって欲しい、そう信じたい。


では、艦これが持っているはずの面白さとはなにか。私は艦これが、プレーヤーの起こしたアクションに対して、適切なリアクションが返ってくるからだと思う。これはもうゲームの根本的な原理で、PONGから現在にいたるまで何も変わっていない。十字キーの操作でもいいですし、ボタンを押すでもいいです、それに対して何か反応が返ってくる。リアクションは、ユーザーにとってよいものだけではダメです。毎回「勝ち」ばかりが返ってくるのではつまらない。「負け」があるからこそ「勝ち」が嬉しい。艦これはこのゲームの本質の部分のバランス感覚がよいのではないか。戦闘をとってみてもそうです。不運にも弾をくらって大破することもあります。羅針盤運が無くて理不尽にもボスの手前で道がそれることもあります。ただ「負け」のなかに勝つためのヒントが含まれていて「制空権が取れなかったから烈風を増やそう」であるとか「最上がすぐ大破するから旗艦にしよう」とかあれやこれや考えてやっとのことで海域を突破出来る。まあ、運要素が強すぎるマップもありますが、全体としてきつ過ぎず、楽過ぎず悪くないバランスだと思います。だから私は、艦これのどこが面白いか聞かれたらこう答えよう。


「やっていて気持ちがいいところ」


PONG

ウイリアム・テル

以前NERFというトイガンを購入したという記事を書きました。先端に吸盤の付いたスポンジの弾をシュポッと発射し、ガラスとかにペタッとくっつく、そんな黄色いボディのナイスガイです。
しかし、残念ながら私の手元に黄色いNERFはありません。というのも知人の子供に「ぐへへ、ほらくっつくんだよ、ぐへへ」と自慢したところ、なにか大変にツボだったらしく、散々乱射したあげくそのまま持って帰りやがったからです。そんな! しかしまあ私も大人ですから「断固として抗議し、NERFの即時返還と謝罪を要求する!」なんて大人げない事は致しません。なぜならプリキュアがそもそも子供向けであるのと同じように、おもちゃも子供のための存在だからです。ある意味、本来のあるべき持ち主に帰っていったと言えるわけです。そう信じたい。

もう未練は消え去りました。当初は子供を送り出した親のような寂しさこそありましたが、それも時が洗い流してくれたようです。心はもう穏やかに凪いでます。が、再会は突然に。家電量販店のおもちゃコーナーをウロウロしていたら出会ってしまった。もしかしてNERFさんですか? あーやっぱりそうだ、お久しぶりです。 あれ、なんかちょっと青くなりました? うわ、バ、バージョンアップしてるじゃないですか。飛距離が伸びたんっすか。なんか名前に"エリート"とか付いてるし。NERFさんかっけー。NERFさん青くてかっけー。

少し前の私は完全にアホでしたね。度し難い。何が "大人" だ。何が "本来のあるべき持ち主" だ。素直になれよ。空は青いし、太陽は輝いているし、走れば汗が出る、NERFを乱射すると楽しい。それでいいじゃない。それにパッケージを良く見て。対象年齢8歳以上って書いてある。ほれ、ほれみたことか。上限がないという事は私も対象年齢じゃないか。むしろ年齢を重ねるほどより深く対象年齢になると言ってもよい。シュポッ、シュポッ、シュポッ、ああっははは、シュポッ、シュポッ、あ、みて、みて、リンゴにくっついた。ウイリアム・テルばりに! アアハハアハハ。

ナーフ N-ストライクエリート ストロングアーム

読みやすい名前にしてください

舞城王太郎氏の「煙か土か食い物」という小説を読んだのですが、久しぶりに衝撃を受けた。なんだこれ。なんと言いますか脳みそから出てきた言葉をなんのフィルターもかけずにそのまま書き出したような文章なんです。感情やらリビドーやらいろんな物がそのまま出てる。それが、極端に改行を入れない文体で書かれているのです。会話文の前後にも改行を入れない。一ページ丸々改行なしなんてこともままある。息をつく暇もなく単語がダーっと押し寄せてくる。こんなやり方もありだったのか。好き嫌いは別れそうな文体だけれども、作者さんはそんな些末な事気にしていないに違いない。

文体以上にバーンッと来たのがキャラクターの名前です。主人公を含めた4兄弟が物語の主軸なのですが、その名前が凄い。長男から順番に一郎、二郎、三郎、四郎。大変に投げやりな名前ですが、これほど良い名前もない。読み方に迷う事も、どいつが長男だっけと悩む事もありません。大体私は、読み方に苦労する名前って大嫌いなのです。映像作品なら登場人物が発音してくれるからいいものの、小説で難しい名前はダメでしょう。だって読者が毎回読む必要があるのですから。ルビなんて普通最初しか振られないので「あれ、この人の名前なんて読むんだっけ?」と前のページに戻る不毛さといったらない。読書のテンポを乱すことはなはだしい。例えば影縫 余弦(かげぬい よづる)とか御冷 ミァハ(みひえ みぁは)とか嫌い。そういった場合、私は間違っていると知りながら勝手に自分の読みやすい名前に読み替えることにしています。前者の場合は「よげん」後者の場合は「おひや」といった風に。これ私悪くないよ。読みにくい名前にした方が悪いの。正しく読んで欲しいなら全ページにルビを振るか読みやすい名前にすればいい。

「煙か土か食い物」の一郎~四郎は、これだけ雑な名前なのにそれぞれの顔をイメージ出来るぐらいキャラが立っていました。ジョジョの荒木飛呂彦先生は「マンガを作る上で一番大切なのはキャラ作り。いいキャラクターが出ていれば極端な話、ストーリーもいらない」というような事をおっしゃったとか。名前もこれと同じに違いない。いいキャラクターが出ていれば極端な話、名前なんてなんでもいい。別に太郎でもいい。